「会社を作ってみて初めて気がついたこと」

昨年設立し、この6月末で第1期目を終えたキャリア・ゲート株式会社という会社があります。

業務内容は人材紹介業で、なんと初年度から黒字化を達成。社長の金岡澄江さんとはFPNやBlogger Conferenceなどでご一緒させていただいており、今日お祝いも兼ねて赤坂にあるオフィスにお邪魔してきました。

※金岡さんのFPN掲載記事：「面接で聞かれる可能性のある100の質問集」
（はてなブックマークで367のブックマークを集めています）

金岡さんは人材紹介会社を中心にキャリアを積み、7社目としてマイ・カンパニーであるキャリア・ゲート株式会社を立ち上げました。直前も人材紹介会社に在籍、企業と求職者を橋渡しする仕事に従事していたのですが、現在も仕事としては変わりません。では、なぜ自分の会社を持とうと考えたのか。そして、会社を作る前と作った後とでは、どのような変化があったのか、このあたりを中心にお話をおうかがいしました。

■自分で納得のいく仕事をするために

キャリア・ゲートを立ち上げるまでの6社での経験から、金岡さんは、「自分で納得のいく仕事をするには、自分と目指すベクトルが一致するボスに出会うか、さもなければ自分でやるかしかない」と考えるようになりました。

とはいえ、理想的なボスに出会うことは容易ではなく、そもそも自分でどうにかできるものではないため、「じゃぁ、自分でやろう」ということで会社を作る決断をします。

■会社を作ってみて初めて気がついたこと

会社はまだ金岡さん一人の個人事務所状態ではあるのですが、されど起業。僕自身も“一人有限会社”をやっていますが、似たような立場としての関心もあり、「会社を作ってみて初めて気がついたこと」について聞いてみました。

お答えいただいたのは、主に以下の3点です。

　1．「休み」の感覚が変わった
　2．社長という立場の重さを実感した
　3．オフィスに愛おしさを感じるようになった

1．「休み」の感覚が変わった

有給休暇がないのはもちろん、土日に仕事をしても振休が与えられるわけではありません。自分と会社がベストな状態で仕事をすることができる限りは休みなく働いても、必要なだけ休んでも良いわけです。このように自分の裁量で決められるという自由さは、魅力的であると同時に歯止めが利かなくなる恐れがあります。

休みをうまくコントロールすることは大切ですね（僕自身も課題の1つです…）。

2．社長という立場の重さを実感した

今後は業務拡大に伴い、増員を計画しているそうなのですが、それを考え始めた途端に、

とのこと。僕の会社はまだしばらくは一人状態が続きそうなのですが、身にしみる一言です。

3．オフィスに愛おしさを感じるようになった

「愛おしさ」という表現はいかにも女性らしい素敵な表現ですが、これもまた自分で会社を持ったからこその感覚と言えるでしょう。

これ以外にも番外として「ふと、どうでも良い話題を振りたくなったときに相手がいない」という嘆きもありました。筋金入りの阪神ファン（お使いの携帯は「阪神タイガース優勝バージョン」）である金岡さんは「あぁ?、今日は阪神負けちゃった?」などとつぶやいても誰も答えてくれないシーンとしたオフィスの雰囲気に慣れるまでにけっこう時間がかかったそうです。

「会社員の頃はそんなつぶやきでも同僚が拾ってくれて、他愛のない雑談ができていたのだなぁ」という思わぬ発見です。

そんな金岡さんですが、現在は「自分を頼ってくれる人がいてくれる」という実感が仕事の動機づけになっているそうです。会社員であれば年収という明確なバロメーターがありますが、特に自分で会社を作ると、報酬の多寡を考える以前に、「なぜ自分が、そして誰のために、その仕事をするのか」というより根源的な問いをつきつけられます。この問いに対して、自分で納得のいく答えを探し続けることが仕事そのものであり、仕事を続けていく上での、本質的な意味での報酬なのではないか、と感じました。

他にもいろいろと身につまされるお話もあり、興味深く、そして楽しくお話をお聞きすることができました。金岡さん、ありがとうございます！

なお、キャリア・ゲート株式会社では、1周年を記念して、転職成功者全員にノートPCをプレゼントするキャリアアップ応援キャンペーンを実施中だそうです。詳細はこちらをどうぞ。