明日はAとBをやろう! と思っていても実際にその「明日」がやってくると伏兵のCやDが出てきて、当初予定していたAとBは押し流され、結局できたことといえば想定外のCとDと、そしてふと思いついてだらだらやってしまったEという結果になる毎日。
AやBがプランニングや研究開発などのいわゆる「重要な仕事」で、CやDは飛び込み作業やトラブル対応などの「緊急の仕事」であることが多いと思います。
緊急の仕事は文字通りすぐに対応しないといけないため、限られた時間の中でこれをやりくりするべく、予定していた緊急でないAやBがいとも簡単に先送りされます。
もちろん、予定というのは自分が置かれている事情や都合をもとに立てられるわけですから、自分の外にある事情や都合をつきつけられたら予定が破壊されるのはある程度は仕方がないことです。
でも、本当にこれでいいんでしょうか?
ところで、かなり古い話ですが、ヌーベルブログで百式管理人の田口さんが「限りなくゼロ 最近の使途不明時間」(※現在リンク切れ)というエントリを書かれています。要約すると、自分がやったことを逐次記録することで、日々の生産性を上げることができる、というものです。
その中で、印象に残ったのが以下のくだり。
ちなみにこれを実践する際に気をつけることがいくつかあるので最後にご紹介しておこう。
・書くのは何をしたかの実績。何をやろう!の計画や予定ではない(←とても重要)
・常に持ち歩いて一仕事終えたらとにかく記入。間が空くと「何やっていたっけ?」に陥ります。
・書き込む単位は適当に。あまり細かい単位で書き込んでも疲れます。「歯磨き、シャワー、トイレ」と書いていくよりも「出かける準備」で十分です。
※太字は原文通り。
記録というからには当然過去のことになります。でも、以前ご紹介した自作のタスク管理ツールでは、未来のこと、つまり翌日の予定(タスク)を想定時間とともに書き出していきます。あらかじめ“一日のデッサン”が描かれることになります。
何もない白紙にやったことを書いていくよりも、あらかじめ鉛筆で描いたデッサンに沿って書いていくほうが、自分が思い描いたイメージに近い一日を過ごせるのではないか、と思っています。
「今日はAとBとCをやる」という決意表明でもいいのですが、さらに一歩進んで、Aは午前中に1.5時間、Bには午後に0.5時間、Cは夕方に1時間などのように、どの時間帯にどれくらいの時間をかけてやるのかというところまで決めておきます。
ただし、9:00~9:30のような細かい時間指定にしてしまうとキツくなるので、あくまで「午前中の1.5時間」のように、午前中(9時~12時)の中で順番を入れ替えたりやりくりできるように“あそび”を残しておくのがコツです。
そして、それぞれのタスクをこなしながら、実際にかかった時間を記録していきます。予定外の作業が発生すれば、それも記録します。このあたりは逐次記録と考え方は同じです。
こうすることで、以下の3つのメリットが得られます。
1.あらかじめそのタスクをする時間帯が決まっているため、関係者に早めの連絡ができる
2.そのタスクが定められた時間帯に終わらなかった場合、その時点で軌道修正ができる
3.想定した時間以上にかかった場合、想定と現実のギャップに目を向けることができる
連絡、軌道修正、目を向ける。いずれも何かベースとなる情報があって初めてできることです。
1.「作業に取りかかろうとしたら今日は担当者が休みだった!」
2.「この作業はなんとしても今日仕上げないといけないから、後続のあのタスクを明日に回そう」
3.「実際にやってみたら、チェック作業に思いのほか時間が取られるなー。よし次回以降は独立したタスクにしよう」
そして、一日の終わり。できあがった“作品”を眺めながら、翌日の“デッサン”をするのですが、この時は前日よりも進歩した自分がいます。より精度の高いデッサンができます。あらかじめ自分がどのように仕事をするのかをシミュレーションすることになるため、その時に起こりうることへの対応策も予定に盛り込むことができるわけです。
“デッサン”通りの、つまり思い描いたとおりの一日を過ごせると、何とも言えない静かな感動に包まれます。
とは言え、
1.そうそう自分の思い通り(=自分の事情や都合通り)にはいかないだろう
2.“デッサン”にこだわるあまり、よりよい選択を見逃してしまうのではないか
といった反論もあるかも知れませんね。
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