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時間を確保するために2011年にやらなかった4つのこと

「時間が足りない」という言葉は本当にそれこそ「耳タコ」というくらいではすまされないくらいよく聞く言葉です。技術が進歩しても仕事術がどんどん提案されても、時間不足はいっこうに解消されないようです。

時間不足を本格的に解消しようと思えば、方法は一つしかないような気がします。やることを減らすことです。時間が製造できない以上、他の方法はないでしょう。睡眠時間を減らすという方法も考案されますが、それだって、「寝ることを減らす」ということができます。

やることを減らすというのは、本当にやりたくて、やる価値があることを減らす必要があります。そうでなければたぶん、時間不足など解消できません。やる価値がない、無駄なことなら、簡単に減らせそうですが、そんな事をたくさんやっている人が時間不足でそんなに悩むとは思えません。

時間の価値が貴重だということは、やりたい・やる価値のあることがたくさんあるのです。それでも時間に余裕を持つとなると、やる価値のあることをやらない、という決意が必要になるはずです。

私が「時間を作る」ために決意して2011年に手がけなかったことを具体的に挙げていきましょう。

1.デザインのことを考えない

筆頭がこれでした。デザインというのは一筋縄ではいかず、勉強したり、時間をかけていろいろなことを考えなければなりません。本を読む必要もあるでしょう。

私のような人間ですら、かっこわるいと言われるよりは、かっこいいと言われたいものです。センスがいいと言われる方が、センスないと言われるよりも気持ちいいものです。

しかし、このことは考慮しないことに決めました。デザインの善し悪しは考えない。デザインの本は読まない。デザインを理由にソフトを変えない。デザインでツールを選ばない。

すると書棚は確実に空き、本を選ぶ努力も確実に減り、全体として時間が確実にできたのです。ある種のスキルや得られるはずのメリットを失うでしょう。「生活の豊かさ」なるものも失うかもしれません。しかし、時間と決断力は節約できます。今年はそれで正解だったと思っています。

2.プログラミングのことを考えない

プログラムが組めたら、と思うことは多々あります。実はほんの少々かじったことならあります。だから、一歩踏み込もうと思うことは難しくないのです。

でもやめることにしました。プログラムの組める人はたくさんいます。私が組むことはないのです。

このことは前述のデザインとよく似ています。私よりデザインに詳しい人は星の数ほどいます。というより、私よりセンスのない人はほとんどいません。そんな話は人任せにした方が合理的でしょう。

本がたくさんあって、独学する価値がありそうで、「少し知っておくだけで違う」と言われる分野ほど、時間を失うこともありません。同じような罠が「文章力」に潜んでいます。私はちょっと前から「文章がうまくなる」方法や本に興味を抱かないことに決めています。

3.英語をできるだけ読まない

私は英語が読めます。しかし、日本語の方が早く読めます。だから、ほとんど内容が同じなら、日本語で情報収集した方が早いのです。

英語でなければ手に入らない情報はあります。インターネットで評価の高い情報ほど、英語の方が入手しやすいものです。

しかし英語の勉強をしたり、英語を読んだり、読んだ英文を咀嚼してアウトプットするとなると、バカにならない時間を費やすはめになります。

英語の読める人も今では珍しくありません。これもその人たちに任せておいた方が賢明だと判断しました。

4.速読のことを考えない

速読というのは象徴です。早く読みたい、英語も読みたい、リテラシを高めたい、デザインのこともプログラムのことも基本はおさえておきたい。そうやっていくうちに、時間がゼロになるのです。

お金も時間もそれなりに必要とする「技術」には要注意です。「世界が開ける」かもしれませんが、どんなに広い世界に出ても、そこが地球である以上、1日の時間は24時間と決まっています。

より早く大量の事柄を吸収できれば時間が節約できる、というのは私には錯覚だと思えます。それは海の水を飲み干そうとしているようなところがあります。相手が湖ならまだ可能性を感じますが、早く大量にやろうとしない方が、むしろ早く済むこともあるものです。

つまり「知らずにいる損」を引き受ける

知らない人は損をしているなあと思うこと」というタイトルのついたエントリは人気が沸騰しやすいものです。人は「知らずに損をしたくない」と強烈に感じているからです。

しかし「知らずにいる損」をひっかぶることが、時間の節約に直結するのだと、いつ頃からかしつこく考えるようになりました。

何だって、知らないよりは知っている方がいいでしょう。ただし知るために時間がかかることを忘れてはいけないのです。ほんのわずかな時間で、という言い方もよくききますが、どれほどわずかでも時間がかかることは確実です。

「これは知らずにいてもいいことにする」と決める。知るだけの価値があることほど、時間は節約できるという関係にある気がします。

▼編集後記:
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この本は「タスクを管理する」ことに主眼を置いて書いたのですが、エントリのように「やらないことを決める」という点を重視してみると、結果として管理自体もやりやすくなります。

やることを少しでも減らすことは、いろいろな面でやらなければならないことを減らし、時間を少しずつ解放するメリットをもたらしてくれます。