昨日の続きで、関裕司氏の講演の後に行われた橋本大也氏をまじえたパネルディスカッションでのお話。
まず、司会の横山さんから両氏に対して「これからどこへ向かうのか」という問いかけがありました。
これに対して橋本氏は、
●いま、コミュニケーションという“インタフェース”に注目している
●コミュニケーションとは、人の頭の中から情報を引き出す(=検索する)手段といえる
●コミュニケーションをインタフェースと捉えると、そのよしあしで“検索結果”が左右される
●逆に、自分の頭の中にある知識や経験があって、それをこのインタフェースを活用していかに引き出すかがカギ
というようなことをおっしゃっていました(うろ覚えですが…)。なるほど、と思ったことは自分の頭の中にある知識や経験を他人とのコミュニケーションを通して引き出してもらう、というところ。
どんなに多くを学んでも、そのほとんどは意識下に沈んでしまい自分では引き揚げられないものです。抽象的な話ですが、頭の中の知識というものは、2つに分けられると思っています。
1.フォアグラウンド:意図的に取り出すことができる(思い出せる)
2.バックグラウンド:外からの刺激によってポンッと出てくる
※これらは勝手に使っているだけで専門用語ではありません。
このバックグラウンドにあるもろもろを活用するための手段が対話なのだと改めて気づかされました。
仕事は人と人との対話から生まれるものなので、対話のないところに仕事は成立しないでしょう。そうなると仕事をするうえでは対話の巧拙が重要になってきます。
もちろん、立場を入れ替えて自分のほうが対話をテコに相手の知識を引き出してあげるということでもあります。
関さんが講演の中で紹介されていたことですが、10月からYSTメインの検索に切り替えたところ、それまで一日に一番多く検索される言葉は「2ちゃんねる」だったのが今年に入ってからは「mixi」になった、というのも頷けるところです。
<余談>
司会の横山さんは「『検索テクニックの最前線 2005』の裏側」というエントリで、初めてのイベント運営の舞台裏について詳しくレポートされています。けっこう反省点が多かったようですが、昨日ご紹介したhirozoさんのエントリでも
彼がデジハリ大を受験しようと思ってから現在までの経験を語る。さすがに話し慣れていないので、敬語の使い方も怪しかったが一生懸命。思わず頑張れ!と心の中で叫ぶ。
と書かれていましたし、本当に頑張って欲しいと僕も思いました。社会人の早い段階でこういうチャンスを与えてもらえるのは非常に素晴らしいことで、さらに、
このイベントを主催できたのも、「恥をかいてでもやらなければいけない」と感じていたからです。最初のイベントです、絶対にどこか失敗するとは思っていました。ただその失敗はどの程度のものなのかは検討もつきませんでした。
というポジティブな姿勢で臨んでいるところには強く心を動かされました。
100名を超える聴衆を前に、多くのことを引き出せたことでしょう。試したもの勝ちだと改めて思います。
<仕事の幅を広げるコツ>
相手との対話を通してお互いの持っているものを引き出し合う。