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「すぐ書け!」「すぐ仕事せよ!」



佐々木正悟 私たちがタスクシュート式で言っていることと、『いますぐ書け、の文章法』(ちくま新書)で述べられていることは、ライティングとタスクの違いはあれど、ほとんど同じことです。

「私がうまくいかないのは正しい方法を知らないからだ、どこかに文章を書く正しい方法があるに違いない」
と考えてしまう。
そして、ライター講座にいったり、本を買ったり、インターネットで検索したりする。
この人たちには欠落感がある。そして、それが間違っている。

そうなのです。

タスク管理や時間管理する人の多くには、「欠落感」があるのです。そして私も思います。その欠落感こそ、間違いの元。

最近になって私がここ、シゴタノ!で書いていることの多くは、同じ趣旨です。

あなたは正しい。いまからやることも、いまやっていることも、正しい。だからその正しさを信じて、全力でそのまま邁進しましょう!

間違っても、

「私のやっていることは正しいんだろうか? もっといろいろな大全を買ってきて、それを網羅してから、正しいやり方で、タスクや時間管理したほうがいいんじゃないだろうか。それから仕事を進めた方が効率的なのでは?」

などと考えながら仕事をしないことです。それでは時間がロスして当然ではないでしょうか。

すぐ仕事しましょう。

すぐ仕事しましょう。

その記録だけは残すのです。
仕事内容。開始時間。終了時間。

何のために記録するのか?
仕事をしたということを忘れないためです。

それはさすがに忘れない、そう思っていますか?
でもなぜか、忘れるのです。

開始時間を記録するのは?
その仕事を開始したことすら忘れるからです。

忘れないと思っていますか。今し方シゴタノ!を書き始めたことを忘れるはずなどない。私もそう思うのですが。

仕事を始めたつもりで、気がついたらメールチェックしていた気がするが、そのうちネットサーフィンでディック・チェイニーさんのことを調べていて、最初何をしてたんだ?

私はこうなることを知っています。仕事を始めて、その仕事は何だったか、忘れてしまうのです。私以外の誰もそうはならないような気もしますが、それならこの世のすべての人が私より仕事が早くてもいいように思うのです。

やったことすら忘れてしまったら、最悪の場合、イチからやり直しになります。せめてここで、途中どれほど中断・脱線しようと、最初の仕事に戻ることが瞬時にできたら、ずいぶん時間的には違うのです。

そして終了時間を記録します。脱線まで含め、けっきょくひとつの仕事をするのにかかった時間がどれだけだったのかを知るためにです。

これを繰り返します。

いま始めるのが、いちばん早い

先のことなんかいっさい気にしないことです。あなたは正しいのです。いま仕事をやっていて、正しくないはずがない。そのペースも正しいのです。脱線したとしても、それなりに正しい。きっと脱線しなくてはならないほどストレスがきつかったのです。

間に合うか間に合わないかで気をもめば、いまの倍速で仕事ができて、100%間に合うというのであれば、気をもむのもいいでしょう。

しかし、気をもむほど時間がかかるなら、けっきょく気をもまない方がずっとましです。気をもむことは、ほとんどの場合、仕事を進めるのに役立ちません。

あなたは、あなたがいま持っている言葉で書けばいい。
それが言いたい。少なくとも、この新書を読める程度の日本語力があるなら、それで十分なのだ。とりあえず、国語力を上げる必要はない。時間の無駄だ。

このアドバイスは、私には本当に正しいと思われます。余計なことをしないことが、本当に本当に大切です。時間のためには本当に大切です。

あなたの正しい判断力といまの十分な能力と博識で、タスクはできます。体力も気力も十分です。いま始めるのが、いちばん早いのです。

ただせめて、タスクシュートが面倒ならせめて、いま仕事を始めたことだけは、記録しておきましょう。そうしないと、忘れる恐れがあります。

「タスク管理の技術」とかもっともらしい話がよくなされますが、もっと困った、もっと基本的な、もっと奇妙な問題があります。

人の99倍の自信をもって、欠落感なしに仕事をする

私たちは、健忘症一歩手前の状態に常にあるのです。そのことを「忘れないで」ください。何でもすぐに忘れてしまいます。タスクをやったかどうかなど、簡単に忘れます。やったことをやったと思い出せれば、少なくとも同じ仕事を二度やらないですみますし、やったことをやったと感じられれば、達成感と自信につながります。

そして仕事はやっていれば終わるという感覚を忘れずにいられれば、本当は二度と気をもむなんてことをしなくてもすむのです。

私がタスクシュートについて言うことの99%が信じられないとしても、次の一点だけは信じてください。全部の達成した仕事を書いてあるリストを見るだけでも、それのない人の99倍は自信になります。

なぜなら、世のほとんどの人は自分が達成したことの99%を忘れてしまうので、「自分はなにもしていない」といつも感じているからです。

冒頭で述べたとおりで、タスク管理や時間管理する人の多くには、「欠落感」があるのです。欠落感と自信喪失は同じです。

ライター講座にいったり、本を買ったり、インターネットで検索したりする。
この人たちには欠落感がある。

人の99倍の自信をもって、欠落感なしに仕事をするだけでも、仕事をする速度は圧倒的に速くなります。これもまた、タスクシュートです。



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