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「生活力のなさ」をサポートするためのライフハックを教えてくれる本



佐々木正悟 この本は、いろいろと勉強になりました。

この本に、ふつうに言うところの「すごい仕事術」や「すごいライフハック」は事実上、出てきません。


私が中でも(すごくないという意味で)衝撃を受けたライフハックは、

机を一瞬で片づけるために、上にあるモノを全部腕で落とす!

いやいやいやいや!

飲みかけのコップとかもありそうではないですか!

しかし著者は決して冗談をいっているわけではないのです。

「自分でもいろいろ応用できそうだ」という気がしてくる

著者は発達障害と診断された、といいます。きっとそうなのでしょう。エピソードがあまりにも猛者なので信じるしかありません。

しかしあえて「発達障害ではない」と考えた場合、著者は「驚くほど生活力が足りない頭の切れる人」です。

そこで必要になるのがライフハック。この視点が、私にはありませんでした。

著者のように、きちんと物事を考えることができ、本一冊こんなに面白く書けるのに、驚くほど生活力がないばかりに、ふだんの生活を送るうちに何かもかもがめちゃくちゃになってしまうというタイプには、「上にあるものを腕で押しのけて机を片すライフハック」が必要になのです。

そんなのがライフハックか!と言われてきた私ですらそう言いたくなるハックが並んでいますが、大事なのはどうしてそれが有効かというわかりやすい説明と、本人には現に非常に有効なのだろうという納得感。

これがあるから、本を読み進めるうちに「自分でもいろいろ応用できそうだ」という気がしてきます。

たとえば人間関係に関する「ライフハック」として著者は「人に親切にしてもらったらお礼を言え!」と強調します。

「他人の親切に礼は言わない」というポリシーを実装して社会を生きていくということは、小額決済手段がひとつ封じられたも同然ということになります。

「「他人の親切に礼は言わない」というポリシー」などといったポリシーとなると、平々凡々の私などにはなかなか理解が及ばないのですが、このような孤高のポリシーを抱いてしまっている人にすら「礼を言うべき分かりやすい理由」を適切に示しているところが本書の最大の読みどころです。

例えば、あなたは誰かにちょっとした親切をしてもらった。あなたは親切をしてくれた人を訪ねて「本当にありがとうございました。助かりました」とお礼をした。

これは金を介してはいませんが、ある種の取引が完了しているわけです。

あなたは「お礼」という行動で「親切」という商品に対して対価を支払ったことになります。

後述しますが、この「お礼」は人間社会に流通する中で最も重要な「見えない通貨」のひとつです。

目にも見えず、曖昧で、「こうしておくといい」ということをみんな何となく分かっていることがあります。本書を通じて分かってくるのは、そういう「常識」を分かってない人が、ひどい損害をこうむってしまうことを未然に防ぐ「ライフハック」が、こんなにも必要だということです。

そしてそんな「ちょっとしたものの見方」を身につけるだけで、どこでどうすべきか(人に親切にしてもらったらお礼を言うべき)ということがスッと理解できるので、社会性がたちまち身についてしまう…といったことすら可能だという話なのです。


▼編集後記:
佐々木正悟



» 8月4日 最強&最速な自分で仕事をする! 「フォースな心理学講座」(東京都)

こちらは来月早々の開催となります。

自分でも少し意外なのですが、倉園佳三さんとの共催です。

倉園佳三さんについてはこちらのインタビューがとてもすばらしいです。

» 倉園佳三さんとのインタビュー • Productive! Magazine

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