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いま「タスク管理」と呼ばれているものはタスク管理「術」です



佐々木正悟 予定を手帳に記録し、ToDoをリストアップするだけなら、大手の文具屋にある手帳で間に合っていました。

それをわざわざ「タスク管理」などと呼ぶ必要はなかったのです。

この状況を変えたのは、ひとつは周知のとおり死語になりつつある「IT」です。アナログのノートより便利なのはたしかですから、ITを選ぶことになります。

けれども手帳に比べれば「使い方」が難しく「術」や知識が必要になります。

そしてもうひとつが「タスク管理術」の登場です。なかでもインパクトの強かったのがGTDです。

せっかく仕事のために手帳を新調し、予定を書き込み、ToDoをリストアップするなら、人よりも成果のあがるやり方を考案したいものだ、と考え出す人もあるのです。

そうして成果のあがるやり方を考案し、それを広めたいとまで思うようになったら、その「手法」が誰にでも成果があがることと、なぜそれで成果があがるのかを、わかりやすく説明できたほうがいいわけです。

  • 気になることを数時間かけて洗い出しそのすべてを管理対象におく

というGTDはなんといっても「紹介」にインパクトがありました。

「ロフト」などに山積みされている手帳を駆使し、MOLESKINEなどにプロジェクトの概要を明記しても、上司に叱責され昇進もなく成績も思うに任せないままだったらなんとかしたいと思うものです。

必要なのは「集中すること」

ほぼ日手帳とMOLESKINEとロディアの12番を「買った!」だけでなく、使いこなして成果につなげるための「術」を知りたいというニーズがあったのです。

そのような「術」は、わかりやすくとがっていて、さらには「徹底的にやった先」に約束された目的地が示されていなければなりませんでした。

  • GTD:気になることをすべてを洗い出す→明鏡止水の境地に至る
  • ポモドーロ:25分間はタイマーで集中する→一点集中を日に数度は実行する
  • タスクシュート:一分以上かかったことはぜんぶ記録する→納得して仕事に取り組む
  • マニャーナの法則:明日できることを今日やらない→仕事に対する主体性を持つ

こうしてみると手法はそれぞれかなり個性的であるのに対し、目標はかなり似通っていることがわかります。

ありきたりではありますが仕事や時間の有無によらず、必要なのは「集中すること」だということでしょう。

集中するかどうかは、「意志」にかかっています。

タスク管理の「術」がどれほど先進的であっても、脳に電極でも取りつけないかぎり、タスク管理ツールやタスクシュートが「意志力」を発揮してくれるはずもありません。

あまりにも混乱していると「集中して取り組む仕事がなんであるか」を把握することすら困難になります。

タスク管理とは、集中するべき対象をはっきりさせる整理法であり、整理された状態を維持するための「術」なのです。

▼編集後記:
佐々木正悟




あなたが誰かを「応援する」場面をイメージしてください。野球やサッカーなどのスポーツ観戦でもかまいません。もっと身近な、子どもの運動会や発表会でもいいでしょう。
 
なぜそうなるのかは科学的に証明されていませんが、アウェーよりもホームのほうが勝率がよくなったり、客席に座る両親の顔を見るだけでうまくやれそうな気になったりと、現実として「応援」の効果を目撃する機会はけっして少なくありません。
 
つまり、私たちは「応援」をとおして、選手や子どもに何かを「与えている」ということです。
 
グッドバイブス勉強会 s2「③ ひとつ意識と与えること」 | Peatix