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なにかが起きてから善後策を講じればいい



佐々木正悟 いま、コロナ禍ということもあって、逆の意見が盛んに出されています。

つまり、

  • なにかが起きてからでは遅い!

というわけです。

百歩譲って国や政府はそうだとしても、個人は、

  • なにかが起きてからで充分に間に合う!

というスタンスでいればいいと思うのです。

ノープラン・ライティングというのはそういう書き方です。

ネタが切れたり、構成が混乱したり、先に進めなくなったら、そこで改めて考え直してみればいいのです。

場合によってはイチから書き直したらいいわけです。

「プロじゃないからそんなことが言える!」というのはあてはまらないと思います。

私の経験では、50冊以上の商業出版がこれで出せています。

ただ実際にはイチから書き直さねばならなくなることはまずありません。

私はタスク管理でも今では完全にノープランです。

明日の計画すら一行もありません。あるのは今日の食事とお風呂の計画くらいなものです。

なにかが起きたらそのとき改めて考えてみればいいのです。

何も起きなければそもそも考えなくていいのです。

「対策」は「悪いことが起こらない」ならムダになる

ノープランによって得られない「何か」はあるでしょう。

しかしノープランによって必ず手に入れられるものがあります。

不安ゼロのモチベーションです。これは「やる気」としてはMAXです。

不安とは、まだやってきていない悪いことです。それは未だやって来ていないので未来にあります。未来にあると思っている心理です。

たとえば「ノープランを推す記事なんか書いて、それを舌鋒鋭い人に読まれたらどうなるんだろう?」と思うのが不安です。これは未だ起きてない未来にあります。

  • なにかが起きてからでは手遅れだ!

となると「舌鋒鋭い人」に読まれてもいいようにエクスキューズを入れておくなり、そもそもそんな人には読まれないように「囲われた人にしか読まれないところで書く」なり、最初から記事を書かないなどといった「対応策」を事前に立てておく必要があるでしょう。

いいわけを先に入れておくというのは記事の魅力を損ないますし、囲われた人にしか読まれないところで書くのは手間がかかるうえに記事の意義を毀損します。最初から記事を書かないとなれば「やる気がゼロになる」のとまったく同じです。

これだけでもぜんぜん魅力のない話です。そのうえ悪いことに「そもそも舌鋒鋭い人が読まない可能性も充分にある」のです。「対策」というのは「悪いことが起こらない」ならムダでしかありません。

思うに「未来計画」が私にとって残念過ぎるのは、先の予測として、

  • 悪いことが起こるか、さもなければムダなことをするか

の二択を迫られる点なのです。

このような記事ひとつ書くにも「未来に不安」を置いて「計画を立てる」ならば、

  • まず邪魔が入らないようにして、途中で書きあぐねて放置しないようにして、必要な45分なりを確保しよう

といった話になるでしょう。

というか、そういう話にしかならないでしょう。

でも私はノープランで書き上げてしまいました。

邪魔は入らなかったし、書きあぐねることもなかったし、必要な時間は27分でした。

もちろん邪魔の入らない喫茶にでも出かけ、アウトライナーを使って、45分を確保しても書き上げることはできたでしょう。

しかしその方が「いい理由」はあるでしょうか?

今回の記事をおまえに書けたのは「たまたまだ」と指摘されるかもしれません。

しかし「たまたま」でいけない理由はなんでしょう?

それに、喫茶に出かけて構成とネタとを用意しておいて1時間があっても「たまたま書けない」事態は絶対に起こらないものでしょうか?

▼編集後記:
佐々木正悟


これまでに50冊以上の書籍を出版している佐々木正悟と、執筆だけでなく、雑誌や書籍の編集経験もある倉園佳三が講師を務めます。
 
まずは、執筆テクニックについて解説する第三期の講義ダイジェストと、書き上げ塾の魅力について語った佐々木正悟のポッドキャストを視聴してください!