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記事で書くことが思いつかなかったらネタ探しの旅


unsplash-logoAndrew Amistad

倉下忠憲毎週一回、こうして連載を書いていると、ときどき──街で驚くほどの美人とすれ違うくらいの確率──で、「あぁ、今週何書こうかな~」と悩む事態が発生します。テーマが思いつかないのです。

そうは言っても、連載の締切は迫ってくるわけですからなんとかしなければいけません。どうするか。

ネタを探す旅に出ます。

旅立ちの村

まずは手近なところから。その連載で直近にどんな記事を書いたのかを振り返ります。

だいたい三日も経てば、前回何を書いたかなどすっかり忘れていますので、二、三回分の振り返りでも新鮮な気持ちで読むことができます。読み返しているうちに、「そういえば、ここであれについて書こうとしていたんだった」みたいなことを思い出すかもしれません。そうなればしめたもの。

しかし、そうした発見がなければ次のスポットに移動です。

出会いの酒場

次に漁るのは、ネタ帳です。

ネタ帳には外のネタ帳と、内のネタ帳があります。

外のネタ帳は、TwitterのタイムラインやBlogのRSSです。それらを眺めて、自分が書けそうな(≒書く気になりそうな)テーマがないかを探します。

内のネタ帳は、Evernoteのinboxやアイデアを貯め込んでいるWorkFlowyやScrapboxなどです。あるいは、「~~のネタ帳」というEvernoteのノートもあります。そこには、時間を掛けて貯め込んできたネタがわんさかたまっているので、何か引っかかるものはあるでしょう。



ダンジョン

それでもダメなら、書くことの洗い出しです。

たとえば、この「R25の知的生産」で書くことに詰まっているとすれば、その連載はどのようなカテゴリを持ちうるかを列挙していきます。これまで書いてきたことの分類でも構いませんし、これから書こうとしていることの指針でもかまりません。とりあえず、そこにどんなものが含まれうるかを書き出します。

そうすると、ポツポツながら「そういえば、こんなことをまだ書いていないな」ということが浮かび上がってきます。そこを掘り下げていけば、二~三のテーマは簡単に発掘できます。

さいごに

ここまでやれば、さすがに何かは見つかります。よほど不得意なジャンルでない限りは、書くものを見つけられます。もし、見つけられないならば、根本的な部分に問題があるかもしれないので、おおもとのテーマ自体を考え直した方がよいでしょう。

もちろん、こうしたネタの発掘のためには、普段から思いついたことを貯め込んでいく姿勢が欠かせません。むしろ大量のメモがあるからこそ、慌てず騒がずネタを探す旅に出かけられる、という側面があります。メモは重要です。

ちなみに、長い連載であれば、多少テーマから逸脱する回があっても、気にしないのがコツです。連載の中でなら許容される逸脱というものはたしかにありますし、それが微妙な隠し味になったりもします。隠し味ばかりでは困りますが、多少は広く(≒柔軟性を持って)テーマを捉えておくのがよいでしょう。

▼今週の一冊:

たまには漫画を。文明を高速で一から再構築していく、というお話で、ぜんぜん違うように思えますが、『サピエンス全史』が好みな方なら楽しめる物語です。


▼編集後記:
倉下忠憲



月末が迫っておりますが、原稿三昧です。「後もう少し、後もう少し」を繰り返しながら、下の本の原稿を詰めております。




▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中