行動記録を続けていると、それは会計ソフトへの仕訳入力をしている時の感覚に酷似していることに気づきます。何にどれだけの時間を投じたのか、そこからどれくらいのリターンが得られたのかという時間の損益計算書(P/L)が作れるような気がしてくるのです。
借方(成果資産の増加)はタスクの内容、貸方(時間資産の減少)はかかった時間です。
上記の“時間仕訳”は午後の35分の時間(資産)を資料作成に投じることで、35分ぶんの成果(資産)が得られた、という意味になります。
経理におけるお金は「現金」や「預金」など複数の形を持つのと同様に、タスク管理における時間も「午前」や「午後」や「夕方」など複数の形を持つはずです。
タスクシュート的には、これはセクションということになります。どのセクションの時間を投じたかによって、対する成果も変わってくるわけです。
まぁ、専門家ではないので、これ以上の深入りは避けますが、限られた資源を最適に運用するという意味においては、時間仕訳という考え方は良い補助線になると考えています。
あらかじめ汎用的なリピートタスクを用意しておく
例えば、以下は僕がたすくまに登録しているリピートタスクの一部です。
特に「セミナー」、「コンサルティング」、「会食」といった“勘定科目”は、それぞれ発生するたびに個別にリピートタスクを作っていくと、後で集計しようとしたときに困ることになります。
時間の使い方の傾向が見えづらくなるからです。
以下のように、個別の実績記録をもとに該当する“勘定科目”に割り当てることで、「今月は会食に3.75時間使った」といった集計が可能になります。
個別タスクに汎用的なリピートタスクを割り当てる手順
以下、Googleカレンダーなどから取り込んだ「△△さんとランチ」という予定タスクに「会食」という汎用的なリピートタスクを割り当てる例です。
▼「リピート:」をタップする
▼リピート一覧から「会食」を選択する
▼「△△さんとランチ」に「会食」が割り当てられた
汎用的なリピートタスクを割り当てる効用
セミナー、コンサルティング、会食それぞれにかけた時間を把握することで、それぞれの割合が適切なのかどうかを判断するための検討材料が手に入ります。
この3つの“勘定科目”についていえば、会食の時間は見込み客に対応するためのコスト時間であり、セミナーやコンサルティングは売上に直結するプロフィット時間といえます。
例えば、会食ばかりしていては、売上をあげるためのセミナーやコンサルティングにかけられる時間がなくなってしまいます。
従って、これらのバランスを最適化する必要があるわけです。
どの曜日、どの時間帯に発生しているか
たすくまではリピートタスクごとに以下のような分析レポートを確認することができます。
「ミーティング」の分析
「休憩」の分析
分析レポートを確認する手順
どの曜日のどの時間帯に発生しているかが分かるため、そのままで良いのか、より適切な曜日・時間帯に移したほうがいいのか。あるいは、投じた時間は適切なのか、といった問いが自然と湧き上がってきます。
「このタスクは午後に回したほうがいいかも?」とか「木曜日はこういう過ごし方にしてみようか?」といった改善アイデアがわいてきます。
このように、時間の使い方を記録に残し、これをふり返ることによって、時間の使い方を改善することができます。
言い換えると、記録とふり返りなしに「こうすれば時間の使い方が劇的に改善する!」という方法はない、ということになります。
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どういう時に、どんな風にして、どんな無駄な時間が発生しているのかを正しく把握しておくこと。
正しく把握できていれば、先手を打つことができます。言い換えれば、最短時間で仕事を終わらせるためのルートが見つかる、ということになるでしょう。「見つける」のではなく「見つかる」です。この最短ルートを得るためには、いくつかの無駄なルートを通ってみることが避けられません。
避けられませんが、その試行回数を減らすことはできます。
ここで減らした分だけ時間が増えることになります。