時間を増やす方法をご紹介します。
とはいえ、時間は一日に24時間しかないので、実際には増やすことはできません。
でも、今回ご紹介する方法を使うことで、結果として増やしたのと同じような効果が得られるはずです。
この方法は「時間を増やす」ということとはあまり関係のなさそうな本から着想を得ました。「時間を増やす方法が得られるのではないか」という期待感はこれっぽっちも抱かずにその本を読み始めたわけです。
その本に書かれていたのは、時間ではなくお金を増やす方法でした。
書かれていたのは、
「なるほど、確かにこういう風にすればお金が増えそうだ。やってみよう!」
と思えるものではありませんでした。
むしろ、
「こんな方法で本当にお金が増えるのだろうか?」
という疑問が残りました。
その直後でした。「あ、そういうことか」という着想が降りてきたのは。
増やそうとするから増えない
まずはお金を増やす方法。その本には次のような事例が紹介されていました。
かつて、一代で巨万の富を築いた事業家の話を聞いて驚いたことがある。
その人は、お金持ちになる方法はひとつしかないと言った。「収入をあげ、支出を抑えることです」。そして、財産を増やすもっとも簡単な習慣があるという。
「毎日、○○○○を眺めることです」と。
「○○○○」の部分には実際にはある言葉が入っていたのですが、言うまでもなくここがキモになるので、少し考えてみてください。
ヒントは、すでに書いたように「こんな方法で本当にお金が増えるのだろうか?」と思えるものである、ということです。
- もし、多くの人が「それ」に失敗しているとしたら。
- もし、ごくごく少数の人だけが「それ」に成功しているとしたら。
この両者を分かつのは「正しい方法」を知っているか否か、ではなく、
「正しい考え方」を持っているか否か、です。
「正しい方法」を知っても、「こんな方法で本当にお金が増えるのだろうか?」という疑問がぬぐえない限り、その方法が実行に移されることはないからです。
従って、「○○○○」が何であるかはここではあまり重要ではありません。
重要なのは「毎日」「眺める」の部分です。
うまくいかない理由は、「見えていない部分」を探り当てようとすることに躍起になるあまり、
「見えている部分」を見逃してしまうからだと考えられます。
穴が盲点になっている
この本の著者は次のように述べています。
実は大半の企業が、「なぜお金がダダ漏れしているか」わかっていない。
私はコスト削減のプロジェクトに多く携わってきたが、依頼企業のほとんどが「コストがかかりすぎている」状況はわかっているものの、「何にお金を使っているか」を正確に把握していない。
お金を浪費し、お金が貯まらない企業は、支出要因がわかっていない。
全体の支出総額は? それはわかっている。
では、どんな品目の支出が多いか? それはわからない。
どの仕入れ先にお金を支払う比率が多いか? それもわからない。それらがわかれば、あとは勝手に頭が解決策を導いてくれる。
穴の空いたバケツに水をいくら注ぎ込んでも、水は溜まりません。蛇口をひねって水流を増やしても、穴をふさがない限りはバケツが満たされることはないのです。
現実にバケツに穴が空いていれば、すぐに塞ぐはずです。
でも、お金や時間については、穴が空いていても目もくれずに「増やす」ことにばかり目が向いてしまうのです。
- どうすれば一気にお金を増やすことができるか。
- どうすればまとまった時間が得られるか。
これらを考える前に、「穴」を塞ぐ必要があるのです。
「穴」を塞ぐことはできない
ところが「穴」を塞ぐことはできません。
- お金でいえば、無駄な出費をゼロにすること。
- 時間でいえば、無駄な時間をゼロにすること。
いずれも、「それができれば、お金や時間が増えそうだ!」と思えるものでしょう。
でも、現実には難しい。どうがんばっても無駄な出費や無駄な時間は発生してしまうからです。
重要なことは、どういう時に、どんな風にして、どんな無駄が発生しているのかを把握しておくことです。それが把握できれば、すべてではないにせよ、いくつかの無駄の発生をブロックできるようになります。
これが、先ほど引用した「それらがわかれば、あとは勝手に頭が解決策を導いてくれる」ということの意味です。
時間を増やす方法
ようやく本題ですが、もう多くを語る必要はないでしょう。
どういう時に、どんな風にして、どんな無駄な時間が発生しているのかを正しく把握しておくこと。
正しく把握できていれば、先手を打つことができます。
言い換えれば、最短時間で仕事を終わらせるためのルートが見つかる、ということになるでしょう。「見つける」のではなく「見つかる」です。この最短ルートを得るためには、いくつかの無駄なルートを通ってみることが避けられません。
避けられませんが、その試行回数を減らすことはできます。
ここで減らした分だけ時間が増えることになります。
参考文献
引用はすべて以下の本からです。「こんな方法で本当にうまくいくのだろうか?」という問いの大切さを改めて実感させてくれる一冊です。