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Winな人のためのMac入門~「あれ? 君 Mac 使っていたの?」

堀 E. 正岳はじめまして! Lifehacking.jp というブログを書いている堀と申します。

「シゴタノ!では少ない Mac ネタについて書いてみませんか?」という大橋さんのありがたいお誘いに乗って、これから定期的に「Mac でシゴタノ!」というテーマで寄稿したいと思います。

私は大学という、とても保守的な仕事環境で Mac を使い始めたのですが、それこそ最初は「メールが文字化けします」「なぜ添付ファイルが2個ついているのですか?」といった Windows ユーザーからの問い合わせに翻弄されてばかりでした。

自分では「Mac が一番!」と思って使っていますので、初めはこうした問い合わせをうけるたびに「どうしてこちらが Windows にあわせないといけないんだ!」と思ったものです。

しかしいくら Mac の人気が高まっているといっても、まだまだ少数派であることは変わりありません。
 
今回は連載を始める前の心の準備もかねて、Windows に囲まれている世界で Mac を使うときに気をつけている心構えについて紹介したいと思います。

1. フォーマット互換性の責任はあえて引き受ける

 fig1
 
一昔前に比べ、Word / Excel のファイル互換性は飛躍的に高まっており、今では大学の事務書類の多くが Windows で作成しても Mac で作成しても問題がないところまで来ています。

しかしフォーマットの非互換性は今でも思いもよらない場面で首をもたげます。

先日、大学のゼミで発表をするときに Linux 上で作成したプログラムの一部を PowerPoint にしなければいけないということがありました。

私は Keynote 使いですので、X11 から Keynote にプログラムをカット&ペーストして、それをそれを PowerPoint に「書き出し」を行うので十分だろうと思っていました。

ところが Keynote ではちゃんと表示されていた複数行のプログラムが、PowerPoint では改行コードが全て消えて1行になってしまい、発表をする段階で思いもよらないトラブルに見舞われてしまったのです。改行コードの解釈が Keynote と PowerPoint では異なるという、非常に見分けにくい例です。

とはいえ、こうしたトラブルが続いてしまうと、保守的な職場では「Mac は禁止!」といわれてしまうこともありますので、Mac 使いとしては十分に注意したいところです。

こうしたフォーマットの微妙な互換性の問題を回避するためにも、PowerPoint だけでなく PDF でも書き出しを行っておくなどというように、ふだんから「少数派である Mac ユーザーが互換性の責任を負うのだ」と考えてさまざまな形式でアウトプットをしておく必要があります。

この一手間をかけることで多くのトラブルを回避できますし、いざというときにファイル形式の変換を自在に行うための知識が身について便利な思いをすることができます。

特に Windows / Mac 間の動画や音声ファイルの変換についてはふだんから情報を集めておきたいところです。
 

2. 「いざ」という時のための仮想化環境

fig2仕事をするという観点からいうと、現在 (2009 年 2月)の Office 2008 の最大の欠点は Excel VBA を使えない点でしょう(次期 Office では復活する予定)。

いまでも時折送られてくるマクロ付きの Excel ファイルに対応するために Windows を Mac 上で動かすための VMWarePararells といった仮想化環境を入れておくのは Mac を仕事で使う人にとって必須だと私は思っています。

 「Windows のライセンス + Office + VMWare の分だけお金が損じゃないか!」
 
と思われるかもしれませんが、あくまでそれは初期投資の話です。「Windows PC をもう一台買うのに比べれば得」ですし、「いざ」という時にさっと Windows を利用できることで回収できる時間ロスを考えれば安いものです。

両方の環境をさわることができるということは、Windows と Mac の両方の便利なアプリケーションを気分に応じて利用できるということでもありますので、仕事の効率化を通して、投資分は時間という形で容易に取り戻せるでしょう。
 

3. Mac ユーザーとしての気配を消す

これは人によって意見が異なるところかもしれませんが、私はふだん自分が Mac ユーザーであることが相手に伝わらないように、ということをモットーにしています。

たとえば Mail.app を使ってメールを送るときに「Windows 対応の添付ファイル」オプションを有効にしておくことは必須ですし、添付ファイルに日本語を使わないといった小さな気遣いも大事です(今では文字化けするケースは少なくなってきましたが、それでもときどき「ファイル名が化けてる」という問い合わせは受けますので)。

また、Windows ネットワークに接続してファイル共有を行ったりプリンター共有を行う場合でも、Windows / Mac の間では文化の違いもあってときどきトラブルに見舞われることもあるのですが、こうしたときもなるべく「自分は Mac なので…」という言葉を出さずに、ネットワーク管理者に迷惑をかけないように静かに一人で問題を解決するようにしています。
 
こうした心構えは単に意地なのかもしれませんが、普段から Mac ユーザーとしての「気配」を消すことで自分のスキルアップにもつながりますし、Windows / Mac ユーザー間の無用な軋轢も減らせます。

Mac で楽しく仕事をする最初の一歩は、忍者のようにあえて周囲の Windows の世界に上手にとけ込んでしまうことにあります。

周囲の人が「あれ? 君 Mac 使っていたの?」と意外の声をあげたときなどは、心のなかでガッツポーズを決めてからこう続けます。
 
「もちろん! 便利ですよ、Mac」
 
さて次回からは、そんな毎日使える便利な話題をご紹介していきたいと思います。

 

 
▼堀 E. 正岳:
「これからMacを始めたい人」を徹底ガイド。Lifehacking.jp主宰。