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Mac の操作に物足りなくなったら乗り換えたい PathFinder

堀 E. 正岳

美しいインターフェースに斬新な操作感を搭載した、イノベーションのかたまりのような Mac OS X ですが、一箇所だけ変化に立ち遅れているような気がしてしまうのがウィンドウやフォルダを管理する Finder です。

Snow Leopard になって格段に高速化したとはいえ、大量のフォルダのなかから一部のファイルだけを移動するなどといった「かゆいところ」に届く操作が難しいのは変わっていません。

Finder のこうした至らない点を過剰なまでに補完してしまうのが Path Finder です。Mac OS X の操作に慣れてきて、どこか物足りない感じがしてきたときに乗り換えたいスポーツカーのようなこのアプリの魅力についてまとめておこうと思います。

PathFinder は過剰なまでに機能が追加された Finder

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PathFinder を起動すると、Finder によく似た、でもなんだかいろんなボタンやメニューが追加されたウィンドウが表示されます。

基本的な操作は、Finder とまったく同じで、上部のアイコンでビューの選択をおこなったり、ファイルを選択してスペースをおすと Quicklook が起動してファイルの中身を見ることができるのはかわりません。

しかしたくさんあるボタンを押し始めるとあっというまに過剰なまでの機能が目の前に広がります。僕も最初はこのあまりの多機能さに及び腰になった方なのですが、ひとつずつみていけば怖くはありません。

ファイルをちょっと乗せておく Dropstack

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まず便利ですぐに使い始められるのが、ファイルをあるフォルダから階層がことなる別のフォルダに移動するときに一時的にファイルを置いておける Dropstack です。

Dropstack を利用すると、複数選択をしたファイルをずっとクリックしたままドラッグする必要がなくなり、途中でファイルをへんなフォルダに落としてしまったといった操作ミスがゼロになります。

また、Dropstack にのせたファイルをまとめて圧縮したり、メールに添付して送信するといった操作も可能になります。

パス・ナビゲータで、フォルダ階層をひとまたぎ

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フォルダのパスを表示するパス・ナビゲータ機能はデフォルトの Finder にも存在しますが、1クリックでパスの任意の場所に移動できる点、また後述する画面分割機能といっしょにつかうことでフォルダ間の移動が楽になる点が優れています。

見た目はたいしたことない機能に思えますが、Dropstack といっしょに使うことで一日に何十回でもおこなうちょっとしたファイル操作に近道を作り出すことができるのです。

また PathFinder には、まるでブラウザのお気に入りのようにパスをブックマークしておく機能がありますので、よく利用するフォルダや、深くて面倒な場所にあるフォルダはここに登録しておけばさっさと移動できます。

デュアルブラウザ機能とタブ機能

PathFinder 最大の機能といえるかもしれないのが、このデュアル・ブラウザとタブ機能です。デュアル・ブラウザは PathFinder 画面を左右の二つに分割して、それぞれ別のフォルダを表示させることでファイルの移動や整理を楽にします。

また、ウィンドウ画面をいくつもひらくかわりに、ブラウザのようにタブで複数のウィンドウをまとめておくことができます。ちょっとフォルダを開いておくためだけに画面の一部を占有させておくくらいなら、この機能で場所と時間をセーブしましょう。

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モジュール機能、ターミナル機能…まだまだある機能の数々

PathFinder をさらに使い易くしているのが多彩なモジュール機能です。たとえばファイルの 16 進数ダンプを見たり、subversion で管理したりといった操作もモジュールを通して提供されています。

また、コマンドラインの操作に慣れているひとのために、任意のフォルダからターミナルに切り替えて作業ができるようになっています。

この他にも高度な条件検索によって、まるで Hazel のように「ある拡張子の、この変更日以降のファイルだけを選べ」というフィルターを作って、それに対してまとめて操作を行うこともできます。また PathFinder のほとんどの機能はキーボードショートカットによってさくさくと呼び出すこともできます。

デフォルトの Finder があまり細かいことを気にしなくても運転できる乗用車とすると、PathFinder は過剰なまでに作りこまれたスポーツカーだというたとえが当たっているというのをおわかりいただけたのではないでしょうか?

Mac OS X の操作になれて、物足りないとおもった人は乗り換えてみてはいかがでしょうか? その際、シートベルトはしっかりとしめてくださいね!

 

▼最近気になっている一冊:

英語の本を読んでみたいと思うなら、つまらない優しい本から入るのではなく、やはり一番読む気が湧いてくる本に突撃した方が近道です。それがコンピュータ関連書であっていけないはずがありません。

『Mac OS X Snow Leopard: The Missing Manual』はアメリカの IT 界では知らない人のいない David Pogue 氏による、基本から「こんな方法があったのか!」という話題までを網羅したマニュアル本です。僕も Mac を使い始めた頃はこの本を開いて、ちょっとしたテクニックの一つ一つを楽しみながら学んだものです。

PathFinder を使うところまでまだいかない、という人は英語ですがこの本で学んでみてはいかがでしょう。馴染みのある話題だと、英語が英語でないような気がするくらい読みやすく感じるはずです。

David Pogue
Pogue Press ( 2009-10-20 )
ISBN: 9780596153281

 

▼編集後記:
堀 E. 正岳

シゴタノ!ではちょっと秘密のプロジェクトを進行中で、この作業に連日かかりきりです。GTD やタスク管理をしていても、タスクはなくなりません。むしろ、自分に関心のあるタスクに全力で向きあうためにこうしたタスク管理があるのだなということをかみしめているところです。かみしめすぎてちょっと寝不足気味ですが、次回にはこの秘密プロジェクトのベールを取り去ることができるでしょう!

▼堀 E. 正岳:
「これからMacを始めたい人」を徹底ガイド。Lifehacking.jp主宰。