アイディアとは、自分自身が出した要求に対して受け取った返答である。
したがって、行き当たりばったりのアイディアが浮かぶことは大変稀である。アイディアは自分自身に問いかけた結果として出てくる。ほとんどの場合、自分が問いかけたことを忘れているのだが、それは問題ではない。
目標設定のプロセスは、ほとんど無意識の内に自分の中ですすんでいる。これは私たちが生まれ持った資質であり、創造性の過程である。私たちは目標を設定するという資質をプロアクティブに使っておらず、ほとんどの人が目標設定を偶然行っているだけだ。
例えば、仕事中にある提出書類用紙と格闘していたとする。「この記入用紙は複雑すぎる。もっと簡単なものにすればいいのに」と思う。この時点で目標を設定したことになる。
「もっと簡単なものにすればいいのに」という考えを自分自身に要求したのだ。心はこの思いを要求として受け入れ、これに対する返答をする。そして、ある時アイディアが浮かぶ。自分が要求を出したことに気づかない場合が多々あるので、次のようなことが起こる。
2~3週間後のある晩、家でくつろいでいると、頭の中に新しい記入用紙のイメージが浮かぶ。しかしあなたは、なぜ風呂に浸かりながら、新しい仕事上の用紙について考えているのかを理解できない。(p.178)
- やめる:目標設定を思いつきで行う
- 始める:目標設定を意図的に行う