相手がマイナスの発言をしてきたときは、受け入れるのではなく、「受け留める」ようにします。
「不安動機」の裏側には「愛情動機」が隠れていることがあります。相手の不満が大きければ大きいほど、大きな愛情が隠されているのです。恋愛でもそう。大好きだからこそ、心配になる。大好きだからこそ、振られると落ち込むわけです。
ですから、「不安動機を一度受け留めて、愛情動機にして返す」ようにすると、話し手は強い愛情動機で話し始めます。
たとえば、こんな具合です。
(受け留め)
「そうなんだ……。いまはそういうふうに、会社や上司に対して不満を感じているんだね」
↓
(愛情動機へ変換)
「でもそう思うのは、会社のことをそれだけ大切に思っているからだよね。好きだからだよね。本当に嫌いだったら、キミは辞めていたと思う。けれどそうしないで“なんとかしたい”と思っているのは、きっと会社が好きだからだよね」(不安動機を愛情動機に転換)不安を受け留め、愛情動機に転換することができたら、「では、どうしたらいいか?」を聞いていきます。
(「では?」で問いかける)
「それだけ会社のことを大切に思っているとしたら、では、どうしたらいいと思う?」「では?」と問いかけることで、「行動すべき答え」が明確になります。
そして、「常に進捗状況を上司に伝えるようにして、確認をとりつつ仕事を進めていけばいいと思うんだ」とか「情報を共有して、社員みんなでフォローし合えるように提案してみよう」というように、「愛情動機による行動」を発想し始めるのです。(p.181)
- やめる:相手の不満に「同調する」
- 始める:相手の不満を「受け留める」