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その「すごい」ってのは本当に「すごい」のか?

割と簡単に使ってしまう言葉の1つに「すごい」がある(「すげェ!」とか「すご!」とか「すごぉーい」なども類語)。この「すごい」という言葉には、2つのレベルがある。

1つは、ある人の発する「すごい」。もう1つは、社会一般において発せられる「すごい」。

まずは前者。周囲に目をやれば1人や2人必ずいるのが、二言目にはすぐに「すごい」を放つ人。何を言っても「すごい」、誰の話を聞いても「すごい」。ひたすら感心しているので、話しているとだんだん「この人にとっては一体何がすごくないんだろうか?」と心配になる。こういう人が「すごい」の地位を貶(おとし)めてしまう。もちろん、その人自身の凄味も剥がれ落ちていく。

対して後者。世の中、そんなに「すごい」ことばかり起こるわけではない。だからたまに起こると本当に「すごい」騒ぎになる。それでも喉元過ぎれば記憶は薄れ、次なる「すごい」の準備が進む。

慣れてしまえばどんなに「すごい」ことでもやがて当たり前のことになり、それまで当たり前だったことに取って代わるようになる。

世の中を見渡して、現在当たり前だと考えられていること、かつて当たり前だと考えられていたことをそれぞれ考え合わせてみれば、何か「すごい」アイデアが浮かぶかも知れない。

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