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今日からはじめる手帳術 第13回 スケジュールとタスクにおける二つのポイント

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photo credit: lrargerich via photo pin cc

倉下忠憲前回は北さんが、タスクとスケジュールの見通しについて紹介してくださりました。

» 今日からはじめる手帳術 第12回 スケジュールとタスクを合わせた見通しを立てる 

今回はスケジューリングとタスクに関する二つのポイントを紹介しましょう。

キーワードはMITDITです。


ゴールデンタイムにMITを突っ込む

一日の内で、一番作業効率が上がる時間帯はいつでしょうか?

作業のゴールデンタイムと呼べるような時間帯です。

起床時間などによって個人差があるでしょうから、一概に「ゴールデンタイム」が何時だとは言えません。朝一かもしれませんし、昼食後の散歩の後ということもあるでしょう。

その時間帯を「確保」して、そこに「MIT」を入れておくことです。

確保というのは、なるべく邪魔が入らない環境にしておくこと。100%完全に確保するのは難しいかもしれませんが、邪魔が入らないように手を打っておくことはできるでしょう。その確保のために、他の時間帯で多少時間を使うことになっても十分おつりがきます。

MITについて

「MIT」とは、「最も重要なタスク」(Most Important Task)のことです。私の場合であれば「書籍用の原稿執筆」がMITと言えるでしょう。これさえきっちり進めておけば、その他の作業が多少グダグダでもなんとかなります。

どのタスクを「MIT」と定義づけるかは人によりますが、Blog記事をチェックしたり、2chのまとめサイトを読んだり、パソコンのデスクトップを片付けたり、といったタスクでないことは確かでしょう。ゴールデンタイムをこういうタスク処理に使ってしまうのは、高級スポーツカーを40km/h制限の道路で走らせているようなもったいなさがあります。

作業効率が上がる時間帯に、重要なタスクを入れておく。簡単なことのようですが、タスクマネジメントにおいては大切な要素です。

隙間時間にはDITを

一日のスケジュールを立てても、全ての時間をきっちり埋められるわけではありません。移動や待ち合わせにかかる時間を完璧にコントロールできるわけではありませんし、作業の読めない時間もあります。

こういう場合は、ある程度余分に時間を見積もっておくとよいでしょう。早めに出発する、早めに到着する、作業量のボリュームを多く見積もる、といったことです。これはスケジューリングの定石と言えます。これはそれほど難しいことではありません。

問題は余分に時間を見積もると、「隙間時間」が生まれることです。

待ち合わせ場所に早めに到着したり、打ち合わせが10分早く終わったり、といった状況ですね。こういう時間は、ぼーっとしたり、あるいはSNSに没頭したりといった使い方もできますが、もちろん作業時間としても使えます。

「10分しかないし」と考えて作業しない手もありますが、「10分だけやっておこう」と考えることもできるわけです。「10分だけ」と考えると、面倒そうなタスクでも取りかかる気分になってきたりするかもしれません。私はわりとそういうことがあります。

当然、集中力を要するようなタスクはこういう隙間時間には向いていません。雑用や整理といった作業に取りかかるのがよいでしょう。今やってもやらなくてもどっちでもいいけど、やっておくと後々助かるかな、というタスクが隙間時間に向いています。

こういうタスクを並べたリストを手帳やスマートフォンで作成しておき、時間が空いたらそれをチェックするとよいでしょう。あえて名付けるとしたら、DIT(どっちでもいいタスク)リストです。

さいごに

今回はMITとDITの二つを紹介しました。

MITはしっかりスケジュールに組み込んで、バシバシこなす。DITはスケジュールには組み込まず、適当に空いた時間で処理する。こうやって分けておくと、「やろうとしていること」リストが大きくなりすぎるのを防げます。

別にMITやDITといった区分けにこだわる必要はありません。これはあくまで一つの例にすぎません。

「これは何か?」という問いに対して、「今日やるべきこと」「できたらいいこと」と違った答えが出てくるならば、それを管理する方法も違ってくる、というだけのことです。

▼参考文献:

MITについては、本書で確認できます。シンプルで力強い内容の本です。


▼参考図書:

▼倉下&北式の手帳の使い方を一冊の本に纏めています


▼編集後記:
倉下忠憲



ゲラ原稿のチェックと、次の本の企画案作りを進めています。

ということは、現状「本の原稿」を書いていない、という状況です。Blogの更新やらメルマガの原稿はありますが、やはり本の執筆をしていないとずいぶん脳が楽ですね。

でも、あんまりこの楽さに浸りすぎると、次の執筆がしんどくなりそうなので、そうそうに企画案をまとめたいところです。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。