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今日からはじめる手帳術 第2回 「手帳」の選び方

倉下忠憲
第1回では、手帳の種類について北さんが紹介してくれました。第2回では、たくさんの種類から自分に合った手帳を選び出すためのヒントを紹介してみましょう。

押さえておきたいのは次のポイントです。

  • 「綴じ」か「システム」か?
  • サイズはどうする?
  • 感覚も大切に



「綴じ」か「システム」か?

まずは、運用のスタイルが大きく異なってくる「綴じ手帳」と「システム手帳」の選択です。

綴じ手帳では、一年ごとに新しいものに買い換える運用スタイルになります。対してシステム手帳は中身にあたるリフィルを入れ替えて、同じバインダーをずっと使い続けることになります。

一年の切り替え、あるいは年度の切り替えで気分を入れ替えたいという人は綴じ手帳の方がよいでしょう。衣替えのように、ツールを変えることで気分が切り替わる、ということは確かにあります。

逆に愛着を持って同じツールを使い続けるのが性に合っている、という人はシステム手帳が適しています。

ただし、初めて「手帳」を使う場合は、綴じ手帳から導入してみるのがよいでしょう。

「システム手帳」は中身のリフィルを入れ替えることが可能です。つまり、自分に必要な情報に合わせてリフィルを選択することができます。これがシステム手帳の最大の特徴と言えるかもしれません。しかしながら、手帳をこれから使い始める人は「どんなページが必要になるか」をイメージするのは難しいでしょう。それは実際に仕事を進めていく上で見えてくるものです。

仕事初心者の段階であれやこれやとリフィルを選んでみても、必要なものが欠けていたり、あるいは使いもしないリフィルを大量に仕入れてしまう、という事態に陥るかもしれません。

その点、綴じ手帳はカスタマイズ性こそ劣るものの、必要なページがデフォルトでセットされています。空手で言うところの「型」が準備されているわけです。

初心者の方はまず綴じ手帳を試し、手帳の「型」を理解した上で、カスタマイズ性の必要を感じたら、システム手帳を選択肢に加えるとよいでしょう。

サイズはどうする?

一般的に販売されている手帳のサイズは、次のようなものでしょう。

notebooksize

サイズが小さい方が携帯性が上がり、大きくなれば記入できる量が増えます。これはトレードオフです。どちらかを(あるいは中間的な答えを)選択しなければいけません。

サイズを決定する場合は、手帳を使う環境をイメージしてみるのがよいでしょう。

外回りが多く外出先で参照・記入することが多いでしょうか。オフィスワークが多く、机の上で広げていることが多いでしょうか。

持ち歩いて使うならば、どのような服装をしているのかも重要です。ポケットの大きさは?カバンのサイズは?といったことも加味して判断しないと、買ったけど持ち歩かない手帳になってしまいます。

オフィスの机の上に置いておくとすれば、そのスペースはどのぐらいでしょうか。仕事中に広げられないのならば、使い勝手が悪くなります。

もし、まったくイメージできないのであれば、同僚の人が使っている手帳のサイズを参考にするとよいでしょう。

感覚も大切に


手帳を選ぶ際には、上に紹介したような「機能」の側面に注目することは大切です。使い勝手が悪すぎると、業務効率上の問題を引き起こしかねません。

ただ、「機能が良ければ、なんでもよい」と言い切れるかどうかは微妙なところです。機能以外の部分、たとえば「見た目」なんかも案外無視できない要素です。

綴じ手帳であれば一年間、システム手帳であればそれよりも長い期間使い続けることになります。さらに、手帳はたまに使うツールではなく、(ほぼ)毎日使うツールです。普段身につけるもの__スーツ、腕時計、サイフなど__はデザインも加味して選択するでしょう。手帳も似た感覚が必要かもしれません。

なんとなくデザインが気にくわないツールとは、心理的距離が開きがちなものです。あんまり見たくない気分になる、と言ってもいいかもしれません。

手帳をあまり見たくなくなっては、その役割を果たすことができません。長期的に使っていくならば、「なんか、ダサい」と感じる手帳は避ける、という選び方も大切です。

さいごに

今回は割愛しましたが「見開き2週間型」や「バーティカル型」などレイアウト要素も手帳選びの大切な要素です。これは仕事がどのぐらいのスパンで進んでいくのか、といったことに左右されます。また一日の仕事(予定)量にも関係してきます。

これらの全ての要素をバランスして、自分に合った最適な手帳を選ぶ必要があるわけです。

こう考えると「手帳選び」も簡単なことではありません。最初の何年かは「ちょっと、ちがうな~」と試行錯誤を繰り返すこともあるでしょう。

しかし、これから「手帳」とは長い付き合いになっていくのですから、そういう試行錯誤も「投資」のうちです。いろいろ試してみるのもよいかと思います。

▼合わせて読みたい:

▼こんな一冊も:

本書で紹介した、手帳のサイズは本書を参考に作成しました。

手帳だけでなく、書類やノートの整理法も紹介されています。新社会人の方が押さえておきたい情報の基本が紹介されているので、入門書としては最適かもしれません。

より深い部分に興味が出てきたら、上の本もぜひ参考に。


▼編集後記:
倉下忠憲



とりあえず、第二回ということで、北さんのエントリーの補足する内容にしてみました。今後、どういう風に進んでいくかは北さん次第です(他人まかせ)。こういう交互連載という試みは初めてなので、どうなっていくのかなかなか楽しみです。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。