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前回では、セルフマネジメントの三要素を簡単に紹介しました。
» 今日からはじめる手帳術 第6回 セルフマネジメントの三つの要素
一般的に手帳は、「行動」を管理するために使われています。では「情報」や「思考」はどのようなツールで管理すればよいでしょうか。
これには、いろいろなパターンが考えられます。
- 「全て一冊の手帳にまとめる」
- 「手帳を分冊する」
- 「ノートを併用する」
今回はこの3つのパターンについて、少し書いてみましょう。
全て一冊の手帳にまとめる
仕事に必要な事柄を全て一冊の手帳に書き込む、というのがこの方法です。
「システム構築」の観点から考えて、一番簡単なシステムであることは間違いありません。また、「手帳さえあれば仕事ができる」という環境を作ることもできます。
ただし、「スペースが足りなくなる」問題がネックです。扱う情報が少ない場合ならばよいのですが、たくさんの情報を扱ったり、アイデアメモが大量に発生する場合には、書ききれないものも出てくるでしょう。
そのため「一冊」だけで行こうと思えば、どうしても大型でバインダータイプの手帳が必要になってきます。
手帳を分冊する
スペース不足解消の方法として、二冊以上手帳を持つ、という方法もあります。
これは、複数の役割を持っている人ならば効果的でしょう。仕事だけではなく、プライベートでも活動していて(あるいは仕事を二つ持っていて)、それぞれで異なった事柄を扱っている場合は、その役割ごとに手帳を持つ、というやり方があります。
が、「行動」を管理するカレンダーが複数存在してしまう問題が出てきます。これはスケジューリングのミスにつながるので、注意しておいたほうがよいでしょう。
ノートを併用する
「情報」や「思考」をノートで管理する、というスタイルです。これがいちばん一般的なスタイルでしょう。「手帳があれば仕事ができる」という環境は失われるものの、システムの柔軟性はぐぐんと上がります。たとえば、手帳のサイズを小さめにして、その代わり中型(A5~B5)のノートを持つといったカスタマイズが可能になるわけです。
また、ノートの使い方も多様です。
「仕事用ノート」を一冊作って、それに情報を集めてもよいでしょう。あるいはプロジェクトごとにノートを作る手法もあります。「行動」は一冊の手帳でまとめて、役割ごとのノートを作るという分冊もあり得ます。
このように柔軟性が上がるのは良いのですが、「全て一冊の手帳にまとめる」に比べるとシステムの複雑性が増します。つまり、「どう使い分ければよいのかわかりにくい」ということです。
さいごに
3つめに紹介した「ノートを併用する」をやりはじめると、「手帳術」からはみ出て「ノート術」にまで話題が及びます。むしろ、本当のところはその二つに境界線があるわけではありません。「手帳」というのは「ノート」の一種です。日付を印刷されたノートブックを手帳と呼んでいるだけにすぎません。
その意味でツールを主眼にして考えるのではなく、その目的__セルフマネジメント__から考えるのがスマートなアプローチです。
もちろん、何が最適な形かは、どのようなスタイルで仕事をしているか(あるいは生活しているのか)に依ります。
つまり、「最適な手段は、状況と目的に応じて決まる」というわけです。当たり前と言えば、当たり前の話なのですが仕事術系の話ではたまに忘れられがちになるので、改めて確認しておきましょう。
▼参考文献:
倉下&北式の手帳の使い方を一冊の本に纏めています
Follow @rashita2
「シゴタノ手帳術出版記念イベント」無事に終了しました。
ご参加くださった皆様ありがとうございます。手帳についていろいろ語らせていただきました。私は別にエバンジェリストではないので、「ほぼ日手帳を使いましょう」とは言いませんが、自分のお気に入りの手帳を持つのは、とても良いことだと思います。
あと、手帳を「パートナー」だと考えるのも大切だと思います。そう考えると「使いこなしてやろう」とはあんまり思いませんよね。「恋人を使いこなしてやろう!」、とか考えはじめたら・・・まあ、多くは語りませんが。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。