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Toodledoの使い方 第14回 Toodledoのタスクはすべて完了させる

その中で強く感じたのが、佐々木さんと私ではタスクそれ自体のとらえ方が全く異なり、それによってタスク管理手法も全く異なるというものでした。差異の詳細は別の機会に記事にしたいと思いますが、全く異なる2人のタスク管理手法を吸収してしまうToodledoというツールの懐の深さを実感した出来事でした。

シゴタノ! —    Toodledoの使い方 第13回 管理におけるプロジェクトと実行におけるコンテキスト(前編)

お話しした際にも、またこの回のエントリを読んでも、それほどの違いがあるようには思えませんが、あえて違いを述べ立てるとすれば、「マスタータスクリスト」や「週間計画のためにカレンダーを使う」といった辺りでしょう。

私も一切のタスクをToodledoだけに集約し、週間計画をカレンダーで扱いたいという気持ちは強くあります。ただ実際には、大型の計画はOmnifocusの方へ分かれてしまっているのが私の実情です。その理由はやはり、数階層に小分けしたり、大急ぎでタスクを追加するのには、ToodledoよりOmnifocusのほうが若干使いやすいからです。

ではぜんぶOmnifocusにしてしまえばいいのではないかと思われるかもしれませんが、それもできないのです。私は実行時には時間切迫感を感じたくないという思いが強いのです。「このペースで今日の分の仕事が終わるかどうか?」「このペースでプロジェクトの〆切に間に合うかどうか?」をかなり深刻に気にする心配性なのです。その意味でTaskchute方式でないと安心できないわけです。

だからToodledoを使っているのです。

Toodledoは現状実行フェーズ専門

北さんの用語に従うなら、私は今のところ管理フェーズをOmnifocus、MindMeister、Evernoteのいずれかに任せてあり、Toodledoはもっぱら実行フェーズ専門です。そして北さんの言う「私のやり方」を一文で述べるなら、次のようになります。

1日というコンテクストを2時間ごとのセクションに分け、1セクションではルーチンを集中的にこなしていく

なぜこういうことをやっているのかといえば、Toodledoの信頼性を日々高めていくためです。Toodledoの信頼性とは、Toodledoに書かれていることだけをやり、Toodledoに書かれていることは全部やり、そうすれば仕事のトラブルにはなかなか見舞われない、ということなのです。

繰り返しになってしまいますが、こう考えてみると「信頼度」を計るにはそもそも私が次のようにしておかなければいけないことがわかります。

  1. Toodledoにやるべきことが全部書かれていること
  2. Toodledoに書かれていること以外のことをやらないこと
  3. Toodledoに書かれていることを全部やること

1と2は気をつけていればできますが、3は容易ではありません。北さんの言う「管理フェーズ」がToodledoに入ってこないのは、管理フェーズをToodledoに盛り込んでしまうと、3が実現されなくなるからなのです。計画のすべてを実行することはできないのです。

セクションというコンテキストに必然性を持たせる

ただし、「最低限度これだけはやらなくてはいけない」ということであっても、それを全部やれるとは限りません。「全部やる」を実現するには

  • やれることだけを入れる
  • やれるように入れる

の2つの要素がいるのです。やれることがただ並んでいるだけではダメで、妥当な順序で並んでいなければなりません。

タスクの「時間見積り精度」も大事ですが、自分が実行できるであろう「シナリオ精度」というようなものが大事だということだと感じました。
Strategy for Simple Life: タスクシュート習慣化中。

これは北さんと一緒にお話ししていた方の記事からの引用ですが、タスクの見積もり時間が妥当であることと、順序が妥当であることの2つがそろってはじめて、Toodledoに書いてあることのすべてを終えることができるのです。


Toodledo _ Your To-Do List.jpg


この図が私の「シナリオ」の1つです。試行錯誤の余地はまだありますが、本日これから取りかかる「@D=10-12」すなわち午前10時から12時のタスクは今見ても、明らかに全部終わります。この流れは我ながら完璧であり、見積もり時間制度も極めて精密です。

大事なことは、1日のシナリオの流れに必然性を持たせるためにも、各セクション内のシナリオに必然性を持たせ、セクションとセクションの区切りにも必然性を持たせることなのです。

このセクションの直前には、娘と一緒にテレビを見なければならないという必然性があって、このセクションの直後は昼食です。そのように行動せざるを得ず、そのように行動したくなり、自由に変更できる余地がほとんどありません。それが必然性というものです。

また北さんのいうとおり「プロジェクト」を管理するのは「フォルダ」ですが、これは上から見てもバラバラだとわかります。マネージャーとのやりとりが来たあと、急に別の仕事になっていて、そのあと爪を切っているなど、プロジェクト的には一貫性がありません。

なぜこのようにやっていてもプロジェクトが完遂できるのか。そのことを保証するために、次のような設定があります。

プロジェクトを完遂させるために行動をルーチン化する

Toodledo _ Your To-Do List-1.jpg

この画面は「プロジェクト」でタスクをまとめた画面です。こちらはサイドのFolderをクリックすれば出てきます。

私は新しいプロジェクトに携わるとき、一行動をなるべくバラして、次に急いでルーチン化します。1度でできるようなことでも、できれば2度に、2度でできることは4度に分けてやります。あとでまとめてやることになることもありますが。

そうすることによって、1タスク辺りの時間見積もり精度が上がるし、時間が短くなるのでいろいろな「セクション」に差し込みやすくなります。それから同じ行動を「繰り返す」ことができます。

繰り返せば繰り返すほど、特定の行動技術が向上します。これは何についてであっても言えることです。行動とはすべて技術なのです。

したがってやり慣れないプロジェクトほど間を置かずに試行を繰り返し、どのようなルーチンを組み合わせると流れになるかを早い段階で把握するようにします。計画はこの試行の中で作っていきます。明らかにムダがありますが、特定の行動に関する技術を向上させるために、このムダは省けないのです。

いったんプロジェクトの半分以上がルーチンでまかなえるようになったら、あとはその試行回数を可能な限り増やし、これを連日Toodledoに現れるように仕組むことで、プロジェクトは〆切の不安から解放されます。

もちろんそういう「新参者」の繰り返しタスクが1日というシナリオに突然現れると、私は気分が悪くなって先送りしたくなります。ここで最初の方で述べた「1日と1セクション内のシナリオ精度」のことを思い起こし、ほぼ確実にタスクが実行できるような新しいシナリオを探すのです。

それが見つかったらプロジェクトの進行が保証されることになります。

シナリオ精度を高めるための行動ログ

それを見つけるためにはどうしても、毎日のタスク実行をリアルタイムにウォッチしている必要があります。

  • いつ、どこで先送りしたくなったか?
  • その時間帯にそのタスクをやろうとしたのは適切か?
  • そのタスクの次に、このタスクをやろうとしたのは適切か?
  • そのタスクはそもそもやりたいタスクか?

これらの問いにいちいち答えておく必要があるのです。この答えを知るために私はTogglというサービスを使って、どのタスクについてどのように感じたかの記録を残しているわけです。

toggl.jpg

Togglについての詳しい説明はここでは割愛しますが、現状重視しているのは「タグ」です。タスクが終わる度に

  • MUST(やる必要があった)
  • PutOff(先送りした)
  • Wnat(やりたかった)
  • ★★★
  • ★★★★★
  • 割り込まれた

のいずれかをつけます。このような情報をタスクについて残しておくことで、いかなる必然性があってそのような行動をとったかがわかります。なぜ先送りにしたのか、あるいはなぜできたのか。

Wantで★1やMustで★などのタスクで、時間が長くなっているのは非常に大事な情報です。その前後関係、時間帯、タスク自体についての評価が、明日のタスク実行シナリオの精度を高めるのです。

▼編集後記:
佐々木正悟



日経ウーマンオンラインさんで、【自分が変わる!生活が変わる習慣心理学】という連載を開始しました。

興味ある方はぜひのぞいてやってください!