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情報発信のバックグラウンドを見極める&新刊のお知らせ(5/31)

倉下忠憲
以前「ビジネスパーソンにとって、知的生産はなぜ必要か?」というエントリーで、知的生産のスキルを磨いていく理由の一つとして「セルフブランディング」を紹介しました。

例えば、自分の関心あるテーマについて情報を集めて新しい視点で組み立てなおしたり、仕事上での成功事例をエッセイ風に書いてみたり、業界でホットなテーマについて解説したりというような事です。これは、「この人はこんな事に関心を持っていて、こんな事ができる人なんだ」ということを対外的にアピールする行為です。

セルフブランディングに関してもいろいろなコツがあるわけですが、今回のテーマには直接関係がないので割愛しておきます。

すでに発売になっている、3冊目の新刊はこの「セルフブランディングに関してのいろいろなコツ」について書いた本です。


情報発信する、ということ

情報発信していくことの大切さは良く語られていますが、何のための情報発信なのか、という点については案外考えられていないのではないでしょうか。

TwitterやFacebookの便利な機能が紹介され、それらを使いこなしている方々の活用事例がアピールされますが、それを真似しようとしてみてもなかなかうまくいかない・・・。それは求めるブランドの形が違っている、あるいはそもそも自分の中にブランドのイメージが存在していない、というのが理由でしょう。

ブランディングという行為は、ブランドを伝えるための行為です。自分の中でそのイメージが出来上がっていなければ、うまく行えるはずもありません。逆に、そのイメージが明確であれば、次々と登場する新しいツールに対しても自分なりの使い方を見いだすことができるでしょう。「そのツールを使って何が実現したいのか」というのが決められるはずです。

本書では、「そもそもブランディングとは何なのか」というところから始まって、自分のブランドについて考えるきっかけを提供してあります。イメージとしては「ブランディング」の出発点です。つまり本書の読了はゴールではなく、あくまでスタート地点に立つことでしかありません。

本書のタイトルに「実践する」とありますが、スタート地点に立ったのならば、一歩前に進む必要があります。実践することで初めて、ブランディングについての知識や情報が活用されることになります。

さいごに

ソーシャルメディアの活用というのは、「自分の世界を広げるということ」と「広い世界に自分を置くということ」の二つの側面が含まれています。

前者は、さまざまな情報に触れられる環境を作るということですし、後者は、さまざまな人のつながりの中に自分を位置づけるということです。これがどういったことを意味するのかは、本書をご覧になって頂ければと思います。

セルフブランディングがビジネスに役立つ、というのは全体の中の一部分でしかありません。それはビジネスというのも、人生の中の一部分でしかないというのと同じ意味合いです。大げさな表現を使えば、セルフブランディングは生き方を変えるものだと思います。そして、それを効果的に実践していくためには、一度自分の「ブランド」について考えてみる必要があるでしょう。

▼関連エントリー:

ビジネスパーソンにとって、知的生産はなぜ必要か? 

▼今週の一冊:

2006年に出版された本ですが、最近読了しました。急激な世代交代が進む中で、どのように「技術」というものを後の世代に伝えるのか、について書かれた本です。

技術というのは本来「伝えるもの」ではなく「伝わるもの」という著者の指摘は、教える側にいる人にとって様々な反省を促すものではないでしょうか。つまり、いくらうまい方法で「伝えた」としても、教えられた人の頭の中にそれが再現されなければ、「伝わった」とは言えないということです。

このときに伝える側が最も力を注ぐべきことは、伝える側の立場で考えた「伝わる方法」を充実させることではありません。本当に大切なのは、伝えられる相手の側の立場で考えた「伝わる状態」をいかにつくるかなのです。

これは、セミナーで講師をするときでも、文章を書いて何かを伝えるときにでも、共通していえることではないでしょうか。


▼編集後記:
倉下忠憲


というわけで、着々と次の本に向けて準備を進めています。

「本を書く」という作業について、だいたいの感触はつかめてきたものの、回を重ねるごとに難しさを感じるようになってきました。まあ、深く考えすぎても仕方ないんですが、「良い本」を作るというのは簡単なことはありませんね・・・。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。