Evernote歴12年5ヶ月の大橋です。
2008年7月からEvernoteを使い続けてきて、唯一「これはうまくいった」と思える使い方が1つだけあります。
それは、
- 前日に作成したノートを一つ残らず読み返すこと、
- これを日課にすること
…によって、残したメモをきちんと活用できるようになったことです。
もちろん、読み返したメモのすべてが日の目を見るということはありません。
中には二度と見返されることなく埋もれていくメモもあります。むしろ、そういうメモの方が多いでしょう。
一方で、「これだ!」と思えるメモは抜かりなく見つけ出すことができ、しかるべき活躍の場を与えられています。
ポイントは、
- どんなに些細なメモでも、タイトルのない1枚の写真でも、とにかく読み返す
…ようにすること。
すると、メモに書かれていない言外のメッセージが浮かび上がってくるのです。
昨日の今日だからこそ思い出せる
- この言外のメッセージは、メモを書いた翌日だからこそ、まだ記憶の“残像”が残っているからこそ、思い出せる。
- むしろ、一晩寝て、まさに“寝かせる”からこそ、メモしたときの興奮がほどよく冷めて、行間からメッセージが浮かび上がってくる。
そんなこともあり、Evernoteの読み返し(これを「Evernote前日レビュー」と呼ぶ)は一日の最初に取り組むことにしています。
正直に言うと、一日の最初にできなかった日もあるし、2日分、3日分を溜めてしまったこともありました。
それでも、溜めてしまったバックログはその後に何とか時間を作って解消しており、今のところ「読み返し残」はゼロ。
これほどまでに「Evernote前日レビュー」にこだわるのはなぜなのか?
メモを介して信頼関係を築く
それは、「Evernoteにメモをする」という行動のランクを高めるためです。
何かアイデアを思いついたときに、即座にメモを取る人は「このメモを後から活用したい!」という強い気持ちを抱いているはずです。
- この気持ちがあるから、取ったメモを読み返すことを忘れない。
- この気持ちが、取ったメモを読み返すことを後押ししてくれる。
では、この気持ちはどこから来るのか?
それは、これまでにメモを読み返したことで「いいこと」があったからでしょう。
“味を占めている”から、リピートしたくなるのです。
- 今日の自分がメモを取れば、翌日の自分が必ず読み返してくれる。
この絶対的な信頼関係がリピートの原動力となります。
子どもは絵を描くのが楽しいから描くのではなく、描いた絵を見て必ず褒めてくれる人がいるから嬉々として描きます。
いつしか、褒められなくても描くこと自体を楽しめるようになったりもしますが、その根底にはやはり絶対的な信頼関係があると思うのです。
だからこそ、今日も今日とて、昨日のEvernoteのノートを読み返す。
Evernote以外にも活かせる
こうして身につけた“関係構築力”は、Evernote以外においても活かすことができます。
たとえば、Scrapbox。
以下の音声でも話した通り、Scrapboxの本文には必ず同じ書式で年月日を入れています。
昨日なら「2020/12/06」という書式。
こうすることで、Scrapboxの検索ボックスに昨日の日付を入力して検索すれば、「Scrapbox前日レビュー」ができます。
▼「きのう」 → 変換 → 「2020/12/06」(ATOKを使っています)
▼前日に作成した(=前日の日付が含まれる)ページの一覧
やってみて改めて、Scrapboxにおいてはまだ信頼関係が構築できていなかったことに気づかされました。
過去のメモを読み返していたら、翌日に見返さなかったばかりに、“旬”を逸してしまったメモが散見されたからです。
とはいえ、義務的に翌日に読み返すことを自分に課すようになると、苦しくなります。
それは、恋人と「毎日メッセージのやり取りをする」ことをルーチン化するようなものだからです。
「昨日の自分は何を考えていたのかな?」という純粋に知りたい気持ちドリブンでメモを読み返す。
そんな気持ちで昨日のメモに向き合えば、きっと良いメッセージが返ってくるはずです。
まとめ
- 昨日書いたメモを今日読み返すと、しっかりと活用できることが多い
- 昨日書いたメモを今日読み返すと、「今日もメモを残そう」という気持ちが強まる
- とはいえ、義務的に読み返し始めると苦しくなるので、「昨日の自分は何を考えていたのかな?」という純粋に知りたい気持ちを大切にする
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