Obsidianは、マークダウン+ネットワーク型のノートアプリです。
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最近よく見かけるようになった、単独のページ(独立的なページ)をリンクでつないでいくことが可能なツールです。
Obsidianは、特に以下の特徴を持ちます。
- ローカルファイル
- カスタマイズ
- 操作性
- ウィンドウの分割
ローカルファイル
Obsidianは、最近珍しいローカル型のノートアプリです。
つまり、クラウド(サービスのサーバー)にデータを保存するのではなく、自分が使っているパソコン内にデータを保存します。
クラウド型のツールは、ブラウザさえ使えれば、どのような環境でもデータにアクセスできる利便性がある一方、セキュリティーが厳しい作業環境では使えないデメリットがあります。
その点、ローカル型のツールは、端末の制約は受けるものの、ネットに接続しなくても使えるメリットがあります。
この辺は一長一短ですね。
とは言え、データの保存・同期・バックアップに関しては、パソコン内に作成されるファイルそのものをDropboxなどに保存しておけば良いので、あまり気にする必要はありません。
また、作成されるファイルは、.md形式のファイルであり、中身はプレーンなテキストなので、ファイルにアクセスさえできるなら、スマートフォンやタブレットからでも閲覧自体は可能です。
なにより、今日ツールの開発が終了しても、.md形式のファイルは自分のパソコンに残っており、そのまま使うか、別のツールに読み込ませればいい、という安心感があります。
なにせ普通のテキストファイルなので、エディタで開くなどしても普通に利用できるのが強みです。
(Obsidian)
(テキストエディタで開いたmdファイル)
カスタマイズ
Obsidianは、カスタマイズ性もなかなかのものです。
CSS経由で見た目を変えることができ、他のユーザーが作ったテーマを利用することもできます。
もちろん、そのテーマをさらに改造して使うこともできます。
ショートカットキーのいくつかも、独自で設定できます。
この辺の自由度の高さもまた、ブラウザ経由ではないツールの特徴ではあるでしょう。
ちなみに、私は以下のような画面で使っております。
操作性
エディタ上の操作性に関しては、「とびきり優れている」とまでは言えません。
ごく普通のものです。
しかし、一つの点で、優れた機能を持っています。
それが「キーボード操作でノートリンクを開く」です。
ノートツールによっては、これができたりできなかったりするのですが、個人的にはキーボードから手を放さずに、他のページを開けるのはありがたいです。
操作は、開きたいリンクの上で option + command + return(Mac版) です。
これで、右側に新しいパネルとしてノートが開きます。
さらに「右側のパネルに移動」のショートカットキー(HotKey)を設定しておけば、そのまま新しいパネルにフォーカスを移動できます。ラクチンです。
もう一つ覚えておきたいのが、 command + o と command + pで、前者はノートの検索を、後者はコマンドパレットを表示してくれます。
これで、だいたいのことがキーボードから手を放さずに実行できます。
ウィンドウの分割
コードを書くエディタならば、ウィンドウの分割ができるのが一般的です。
しかし、ノートツールでそれができるものは限られています。不思議です。
なぜなら、ノートは情報を一つの粒度でまとめたものであり、アイデアを生み出す際には複数のノートを同時に閲覧する必要があるからです。
これは、「Aの情報を参照しながら、Bのノートを書く」という場合でも同様です。
端的に言って、情報を利用する場合、2枚以上のノートを開いておきたいものなのです。
» FirefoxのサイドバーにWorkFowyが置けるとむちゃ便利 | シゴタノ!
さすがに上の画像は開きすぎですが、それでも好きなだけウィンドウを分割できる点は、情報を「利用する」という観点から評価できるように思います。
おわりに
もちろんObsidianには、他にもさまざまな機能があります。
標準ではオフになっているので、自分でチェックマークを入れないと追加されない機能もあります(たとえばデイリーノート機能など)。
なので、一度インストールしてみて、いろいろ触ってみると良いでしょう。
そうすれば、似た他のツールと、どこが同じで、どこが違うのかが実感として立ち上がってくると思います。
個人的には、Obsidianは好きなツールです。
特に、以下のようなUIが使っていて心地よいです。
Follow @rashita2
Ulyssesをやめて情報をテキストファイルに保存するようになったので、Obsidianとも親和性が高くなりました。
個人的にはトップはScrapboxですが、自分の他のテキストファイルと組み合わせたり、スクリプトでごにょごにょすることを考えると、Obsidianという選択肢もありそうです。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。