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たとえばRoam Researchで本の管理をするとして

倉下忠憲

Roam Researchは、継続的な活動を追いかけるのに適したツールです。

たとえば、本(読書)という活動を追いかける場合で考えてみましょう。

一冊の本を買ったとして、その日のDAILY NOTEにその事実を記入します。

Buy itという項目を立て、それをリンクにし、その下位項目に本のタイトル(今回は『遅いインターネット』)を入力します。そして本のタイトルもリンクにします。

これでまず、継続的な活動のスタート地点が生まれました。

メタ情報の入力

本というのは、身の回りのものの中でもわかりやすい「オブジェクト」です。よって、リンクにする(ページを作る)のはわかりやすい操作でしょう。

そうして作成された本のページには、その本のメタ情報を入力します。著者名など、自分が気になる情報をピックアップしておけばよいでしょう。

もちろん、何一つ気にならないというなら何一つ入力する必要はありません。ただ、著者名などを入力し、それをリンクにしておくと、後から情報を接続できる点は意識しておいた方がよいでしょう。

上の例では、著者名、レーベル、ジャンル、キーワード、出版社、出版年月、AmazonのURL、書影画像が記入されています。ジャンルやキーワードは読書前に書いてもいいですし、読了後に書いても構いません。あるいは読書前に書いて、読了後に書き直す、という手もあるでしょう。

ちなみに、この二つ(ジャンル、キーワード)は、基本的に「自分がどう感じるか」を起点につけるのが使いやすいかと思います。自分がその本を「これは経済の本だ」と感じなら、それが書店(ないし図書館)でどこに陳列されていようと、「経済」のジャンル(ないしはキーワード)を割り当てる、ということです。その方が、情報ライブラリーとしての活用度は間違いなくあがります。

読書活動

本のメタ情報が入力できたら、あとは実際に読書を進めるだけです。

その日のDAILY NOTEに、まず「Read it」という項目を作り、その下に書名のリンクを作成します。あとは、さらにその下の項目に感想などを書きつづっていきます。

感想の中でも、ひとまとまりの文章として形成できるものは、タイトルをつけて、それをリンクにしてくとよいでしょう。

これを、その本を読むたびに繰り返していきます。たいていの本は一日で読了されることはないでしょうから、記録は数日に及ぶはずですが、それぞれの日で同じことを繰り返せばOKです。

記録の串刺し

そうした読書活動をしていくと、Roam Researchには以下のような「記録」が残ることになります。

それぞれの活動内容に加えて、「いつそれを行ったのか」というメタ情報も残っています。

このように、日ごとに記録を残していても、一つのテーマで串刺して記録を閲覧できるのがRoam Researchの最大の特徴です。言い換えれば、それが「継続的な活動を追いかけるのに適したツールである」ということの意味です。

ちなみに、「Buy it」や「Read it」の下位項目にそれぞれを配置しておくことで、「買った本」という視点で継続的な活動(これも立派な活動でしょう)を追いかけることもできます。

つまり、さまざまな角度からの串刺しが可能なわけです。

さいごに

どうでしょうか。こうした記録の閲覧を見て、「そうそう、これがやりたかったんだよ」と思われたでしょうか。それとも「いや、別にここまで複雑なことは必要ないんだよ」と思われたでしょうか。

言うまでもなく、Roam Researchは前者の方向けのツールです。記録が好きな方、記録を縦横無尽に活用したい方なら、このツールはきわめて面白く使えるでしょう。

特に、ある対象について、継続的に(つまり日をまたいで)注意の目を向けていくような活動の記録をとるにはジャストフィットするでしょう。

でもって、そのような活動を人は研究(Research)と呼ぶわけです。

#Roam Research

▼今週の一冊:

今のインターネットの状況を「当たり前」と考えないで、新しい(あるいは古い)インターネットの形を再考する上で有益な一冊です。



▼編集後記:
倉下忠憲



第一章が一段落したので、第二章のアウトライン作りに進んでおります。一ヶ月で一章のペースで進めばなんとか年内の完成が望めるのですが……。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中