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「その場」に行くたびに1つだけ片付ける

年末年始にまとまった時間ができたので、家中を整理整頓していたのですが、その過程でずっと頭の中にこだましていたのは、

 「普段から少しずつ整理していれば、
  これほどの手間と時間をかけなくても済むのに」

という恨み節。

でも、喉元過ぎればなんとやらで、ひとたび片付いて満足するとそんな苦労も忘れてしまうものです。そして、しばらくして再び散らかった状態が現出するにつけ「普段から少しずつ…」というぼやきが再来するわけです。

このループから抜け出すためには「普段から少しずつ整理する」をもう少し具体的に、言い換えれば実行可能なアクションに変換する必要があります。

昨年暮れぐらいから実践し始めた習慣に、「その場」に行くたびに1つだけ片付ける、があります。例えば、

 ・トイレに行くたびにちょっとした汚れをサッと落とす
 ・洗面所で手を洗うたびに鏡の曇り1箇所をティッシュで拭き取る
 ・本棚にアクセスするたびに「もう読まないだろう」という本を1冊捨てる
 ・席に着くたびに机の上でホコリをかぶっている文房具を1つ片付ける
 ・冷蔵庫を開けるたびに精細を失った食糧を1つ処分する(食べるか捨てる)
 ・ソファに座るたびにテーブルに無造作に置かれている雑誌を1冊捨てる

などなど。

これは、単に「部屋の整理」というタスクを立てるのではなく、「トイレ」や「本棚」などの粒の小さなタスクに細分化して、それぞれごとに“各個撃破”するというアプローチになります。

ポイントは、それが風景と化してしまう前に取り除くことです。

 ・何気なく置かれた物が“常連”として居座ってしまう前に、
 ・それに違和感が漂っているうちに、

本来あるべき場所に戻すわけです。

これを繰り返していると、毎回「また1つ整理ができた!」というほのかな満足感とともに、ふと気づくと「だいぶ片付いたな」という実感が得られます。

本棚からたった1冊だけ、もはや読まない本を取り除くのにさほどの時間も覚悟も必要ないでしょう。「あとでまとめて片付けよう」と思って手をこまぬいていると、それなりの時間と覚悟が要求されることになるため、結局は手を付けられないままに先送りが繰り返されてしまうのです。言うまでもなく、満足感も実感も“お預け”のままです。

最終的なゴールは「整理された状態を作る」ところにあるわけですが、いきなりそこに到達しようとするのではなく、「今は1冊だけ不要な本をピックアップすればよいのだ」という“完了させなくても良い仕事”をちょっとずつ積み上げていく方が、“勾配”はなだらかになり、従って息切れすることなく確実にゴールに近づくことができるのではないでしょうか。

ちなみに、本はなかなか捨てられないものですので、段ボール箱を1つ用意し、捨てる候補の本をいったんプールする、という方法もあります。この箱が一杯になったら本当に捨てるようにします。それまでの間に一度も参照されなかったのであれば、最初の自分の判断を信じてひと思いに捨てます。ワンクッション置くことができるため、ある程度の納得が得られるでしょう。

あるいは、本棚のある一角を「捨てる候補専用エリア」と決めるのも良いかも知れません。僕自身は、数本ある本棚のうちの1本は捨てられるのを待っている本しか入れないようにしています。背表紙を眺めながら“敗者復活”することもありますが。

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