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「飽きない」ことのメリット



佐々木正悟 ライフハックや仕事術を「駆使して」なんとか生活や仕事を乗り越えているという人には確かに二通りあるように見えます。

一方には「じつに多種多様なライフハックを飽きては乗り換えを繰り返す」ことでなんとかやりくりしているという人。

Evernote、Dynalist、Scrapboxと渡り歩いてみたり、Omnifocus、Things、たすくま、Todoistを渡り歩いてみたりするというわけです。

この「方法」を採用している人の中にはおそらく、同一のツールばかり使っていると飽きてしまう。そもそも仕事に一種のスパイスを与えるためにツールを使っているのだから、ツール自体に飽きたら変えるに限る、という意見もあるでしょう。

それはそれで私はいいんじゃないかと思います。

ただ、私はその逆をいきます。

いいのを一つ見つけたらなるべくそれに全部を集約させて、ずっとそれだけを使いたいという気持ちにしています。

ようするに「自分に合うツールひとつをピックアップ」して、とことんそれにのめり込むことで、仕事をそのシステムでもって切り抜けてしまうという考え方なのです。

当然「総合管理ツール」的なものがひとつ必要になるわけで、そのツール一本で、メモ、カレンダー、タスク管理を全部まとめてしまいます。私の場合にはそれが「たすくま」というわけです。

このやり方にはたしかに「無理がある」面もありますが、なんと言ってもひとつのツールで何でもまかなえるという便利さもあります。

ツール一本に絞り込むことで得られること

また、ツールの中に歴史が蓄積されていきます。このことはそこそこ意識されている話だと思いますが、紹介されることはそう多くありません。ライフハックでありつつも、利便性から少しずれてしまっているからでしょう。

たとえば私は、たまにですが、Evernoteの一番古いノートをほぼ意味もなくひっくり返してみたり、タスクシュートを使った数年前のタスクログを眺めてみたりします。あるいは、家計簿の最初の記録を古いアルバムのように見直してみることもあります。

利便性はあまりありません。が、これほど詳細で、自然の変化を許さないデジタル記録が、生々しく堆積している様には、ちょっとした壮観を感じます。これは、ツールをひんぱんに切り替えるよりは、一本だけに絞っていることによって得やすいポイントです。

また、特別に努力せずとも(ショートカットを意欲的に覚えるなどのライフハックを頑張らずとも)5年以上も使っているツールにはいやでも習熟できます。直感的に使えるかとか、初心者でも使えるかといった議論はもちろん大事ですが、数年使えるツールだけに没入してみると、操作が直感的かどうかはそんなに大切でもなくなってきます。