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フードツアーで起業して2年 → 今度は飲食店をオープンした人に話を聞いてきた



大橋悦夫2019年1月に西荻窪駅前にオープンしたばかりの「日本酒バル どろん」さんに行ってきました。

実はこのお店のオーナーは、以下の記事でご紹介した「外国人向けの日本食ツアー」を手がけるNinja Food Toursの和田雄磨(わだ・ゆうま)さん。

和田さんとは、シェアオフィス「PoRTAL」で知り合い、2年前に上記の記事でご紹介したツアーに同行させていただいていました。

和田さんの最初の事業である「外国人向けの日本食ツアー」は2017年2月にローンチ。それから2年たち、当初は和田さん自らがツアーを手がけていましたが、その後に2名のスタッフがジョインし、順調に事業を拡大。

そして、新たな事業として今回ご紹介する「日本酒バル どろん」のオープンに至ります。

28歳で会社を辞め、直後に始めたフードツアー事業をたちまち軌道に乗せ、わずか2年で今度は飲食ビジネスにも進出するというスピーディーな展開には驚かされます。

そこで、オープンしたばかりのお店を訪ね、その後の和田さんの仕事に対する向き合い方についてお話をうかがってきました。

会社を辞めるかどうかはともかく、「自分にできること」で身を立てていこうと考えている人には参考になるのではないかと思います。

なぜ飲食店を開くことになったのか?

在庫も店舗も不要のフードツアー事業に比べると、飲食事業はリスクが大きく難易度も高いはず。素人の僕から見ても「大丈夫なのか?」と気になりますが、和田さんはもう少し先を見ている様子。

この2年間、フードツアーを通じて外国人のゲストとともに様々な飲食店を見てきた和田さんは、しだいに「こういう店があったらいいな」という理想のお店が思い浮かぶようになったとか。

▼フードツアー中の和田さんとゲスト



具体的には、日本酒とフードのペアリングを楽しんでもらえるお店。

「呑んべいの隠れ家」をコンセプトに、厳選の日本酒はもちろん、樽熟成の焼酎、国産グラッパなどを和田さん自身がセレクト。

さらにソムリエ、唎酒師(ききざけし=日本酒のソムリエ)、チーズプロフェッショナル、ビアテイスター、ドイツワイン上級ケナー、シードルアンバサダーなど複数の資格を持つスタッフが脇を固めます。

フードについては、過去に数十店の飲食店立ち上げに関わったという板前出身の料理長が厨房に立ち、和食をベースにしたカジュアルな創作系料理をふるまいます。

実際に今回の訪問でさまざまな料理をいただきましたが、どれもほかでは味わえないユニークなものばかりで(後述)、そして当然日本酒との相性が抜群で、ついつい飲み過ぎてしまいました。

夜間は営業、日中はオフィス

店内は、カウンター10席、テーブル10席。

日本酒バルということで、営業は17:00~24:00。日中はランチ営業はせず、フードツアーを担当するスタッフのオフィスとして店舗を活用しているそうです。

なるほど、時間と空間を有効利用していますね。

▼店内の様子

▼日中のテーブル席はデスクワークスペース


ギャラリー

「日本酒バル どろん」は、西荻窪駅南口出て右に目を向けると視界に入ってきます。



白ウサギに導かれるままに地下に広がる不思議の国へ、どろん。



オーナーの和田さんがお出迎え。


カウンターで見上げると日本酒や焼酎などがずらっと並んでいます。



日本酒には疎いので、一つひとつ丁寧な解説をいただきつつ、いただきます。

「山廃(やまはい)」と「生酛(きもと)」という2つの異なる製法について詳しく教えてもらいましたが、酔っていたので忘れてしまいました…m(_ _)m



どれがいいか分からない人には「利き酒セット」がおすすめです。

利き酒セット:セット内容は毎回変わりますが、それぞれの特徴や相性の良い料理を丁寧に教えてくれます。


以下、いただいた料理をいくつかご紹介します。

どろんのポテサラ:試作回数12回を経たという力作。意外なアレが隠し味としてまぶしてあり食感も楽しく、日本酒にもよく合います。ぜひ「アレ」の正体を確かめてください。


どろんのとり唐揚げ:塩麹でジューシーに、山椒でピリ辛に仕上げたという大人の唐揚げ。普通に取り合いになります、トリだけに。


肉汁あふれる焼餃子:熟成キャベツの旨みが詰まった、やさしくそしてコクもある逸品。


カキ発酵バターソテー:発酵バターの旨みと牡蠣の旨みのハーモニーに酔いしれます。


熟成さばと旨みキャベツ炒め:かつおぶしが踊ります。昆布だしが味わい深いです。


希少野菜と自家製ディップ:しょうゆ麹青唐辛子味噌とフムス(ひよこ豆を使用したレモン塩味)の2種類のディップで野菜が進みます。


フラクタルのような独特な形のロマネスコ。カリフラワーの一種だそうです。



日本酒以外で美味しかったのが山椒ハイボール。

AKAYANE山椒ハイボール:実際に山椒がまぶしてあり、その風味が斬新で個人的に気に入りました。



和田さんのお知り合いのイラストレーターさんに描いてもらったという鳥獣人物戯画風の絵に和みます。



フードメニューの一部(2019/02/07時点)


フードツアーを担当しているスタッフのネイサンさん(日米ハーフ・24歳)も日英バイリンガルでおもてなし。



まとめ

2年前、フードツアーに同行させていただいたとき、和田さんは次のように言っていました。

自分の時間と労力の対価に見合う価値を見出してくれるマーケットがあるか?
自分が納得するリターンが得られそうか?

この2つは、私が自分の仕事について考える上で常に自らに問いかけている質問です。

いくら自信を持って仕事していたとしても、自分の時間(投資)に対するリターン(お金や顧客との触れ合いなどのやりがい)がないと長期的には続きませんからね。

今回、カウンターの中で、料理やお酒の説明をしながらゲストたちとの会話を楽しむ和田さんを目の当たりにして、まさに仕事からのリターンを存分に受け取っているなと感心させられました。



「日本酒バル どろん」詳細

  • 店名:日本酒バル どろん
  • 場所:西荻窪南口から5秒
  • 住所:東京都杉並区西荻南3-10-6 中村ビル B1F(地図
  • 電話:03-5941-3473
  • 営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)
  • 定休日:不定休(当分は日曜日定休)

▼日本酒バル どろん 公式サイト


美味しいノンアルコールもあるそうなので、呑んべいの方もそうでない方も、ぜひ一度足を運んでみてください!

編集後記