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Scrapboxの入門書を書きました



倉下忠憲『Scrapbox情報整理術』という本を7月28日に上梓しました。

目次は以下の通り。

●PROLOGUE ようこそScrapboxへ
●CHAPTER-1 Scrapboxの構成と入力方法
●CHAPTER-2 Scrapboxはネットワーク構造で情報を整理する
●CHAPTER-3 Scrapboxで知をつないでいく
●CHAPTER-4 もっと便利にScrapboxを使う
●EPILOGUE 知のコラボレーションで時代を切り開く

ランディングページは次のScrapboxページです。

Scrapboxとは?

Scrapboxとは、知をネットワークするツールです。本の中では「知のコラボレーションツール」と表現しました。それが意味するところは本文に譲るとして、たとえば私は次のようなプロジェクトを持っています。

どれも種類がバラバラなプロジェクトなので、一通り眺めていただければScrapboxが「どのような」性質のツールなのかはだいたいつかめるかと思います。

これからのツール

これからのWebのツールや文化はさまざまに変化していくことでしょうが、現状で決定的に足りていないのは「集める」という行為と、それを支えるツールだと感じます。

「貯める」は、たくさん生まれました。貯めるためのツールはいくらでもあります。でも、貯めるだけになっている懸念もあります。

一方「流れる」もたくさん生まれています。日々たくさんの情報が流れ続けていて、──楽しさはあるものの──蓄積されていません。

よって、「集める」です。

流れているものを集める。散らばっているものを集合させる。そして、それをリンクでつないでいく。たぶんそれが次の一歩であり、むしろ本流に戻る行為だとも言えるでしょう。

次世代の知的生産ツール

もう一点追記しておくと、私がこれまで使ってきた情報整理ツールの中で、Scrapboxが一番「情報カードシステム」を構築するのに向いていると感じます。それはつまり、以下のような本で書かれていることを、デジタルツール上で再現するのに最適である、ということです。


ここでもやはりカギを握るのは「リンク」です。

当初は、リアルの情報カードのように空間的に情報を配置できないことに不満を感じていたのですが、たぶんディスプレイ上でそのような操作をしてもきっと限界はあるでしょう。むしろそうした操作は別のツールに任せるとして、「関連するページ」が表示される方が、はるかに情報カードを活用する上では大切である、ということに気がつきました。

現状は、紙の情報カードに書いていたものを少しずつ「倉下忠憲の発想工房」に移行する作業を進めています。ブログほど大がかりな装置なら、数行程度の記述を「一記事」にするのは気が引けますが、Scrapboxならば問題ありません。おそらく一年ほどかけて「断片からの創造」を拡充していくことになりそうです。

さいごに

Scrapboxは、目立つ機能で「ほら、これすごいでしょ!」と強く訴えかけてくるツールではなく、むしろ使っていくうちにじわじわと「そうそう、これこれ」と良さがわかってくるツールです。なので、とりあえずは使っていただくのが一番なのですが、その雰囲気をできるだけ伝えられるように、動画も作ってみました。


もしご興味あれば、本も手にとってみてください。電子書籍版も近々販売される予定です。



▼編集後記:
倉下忠憲



紙の本はずいぶん久々ですので、緊張感がハンパありませんね。楽しんでもらえる本になっていればいいのですが。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中