「メール中毒を克服するには(1)」では、「Why email is addictive (and what to do about it)」という記事に書かれている、中毒傾向に歯止めをかけるための対策を以下のように整理しました。
1.あえてレスポンスを悪くする
・受信ボタンを押してから実際にメールを確認するまでの間にタイムラグを作る
・ご褒美を与えるタイミングを遅らせる
2.強化を抑制する
・アラート方法をランダムに変える( ← ムリがあるのではないかと…?)
3.敷居を高める
・オフラインで過ごす
・メーラーを終了させる
・ペナルティを課す
例:mixiへのショートカットを削除する(アドレスバーに入力しないといけない状況を作る)
4.代替行為を強化する
・メールチェックをしなかったらご褒美を与える
・やることを弱化させるより楽
(禁止は得てしてうまくいかない)
今回は、最初の「1.あえてレスポンスを悪くする」について掘り下げてみます。
1.あえてレスポンスを悪くする
ネズミがレバーを倒す行為を学習するのは、レバーを倒したらすぐにエサが出てくるからと考えられます。もし、エサが出るのがレバーを倒して15分後であれば、「レバーを倒す」というアクションと「エサが出る」というご褒美とを関連づけることが難しくなります。すなわち、学習が困難になるでしょう。
メールにおいても、「受信ボタンを押す」というアクションと「メールが届く」というご褒美との間にタイムラグがあれば、“中毒症状”を緩和できるのではないか、というわけです。
理論的には頷けるのですが、これをどうやって実現するのかが問題になります。
これについては、冒頭の記事ではメールのアラート(ポップアップで通知される)の内容(相手と件名)を見て、すぐに見る必要がなければスルーする、というアイデアが紹介されています(以下)。
Have your inbox constantly visable, so that there is no jump from wondering if you have new mail/seeing a ‘new mail’ alert and knowing that it isn’t that important (although a down side is that if the new email is intrinsically distracting – such as a good joke, hot piece of gossip or invite out – it will now definitely interrupt when it arrives).
とは言え、メールの内容に関わらずポップアップ(※)が表示されるのは煩わしいですし、ほんの一瞬でも集中力が途切れますから、あまり好ましいものとは言えないでしょう。
※Google talkをインストールしていると、Gmailのメール着信のたびにポップアップで通知されます。
そこで、僕自身が実践しているのが、自分宛てのメール(To: に自分のアドレスが入っているメール)だけを携帯メールに転送させるという方法。
やり方はいろいろありますが、手っ取り早いのは、Gmailのフィルタ機能を使うことでしょう(※)。Gmailを通せばスパムメールを弾いてもらえるというメリットもあります。
※ITMedia Biz.IDでもこの方法が紹介されています。
こうすることで、携帯電話が重要なメール(=自分宛てのメール)のリマインダーツールとなります。
PC側ではメーラーを終了させておき仕事に集中して取り組み、携帯にメールが届いたら、
1.そのメールがすぐに返信が必要そうであれば、メーラーを立ち上げる
2.そうでなければ、そのまま仕事を続ける
という状況を作ることができます。そして、仕事の区切りがついたときにメーラーを立ち上げて、その時点で届いているメールに対応することで、過度にメールに振り回されずに済むでしょう。
<関連エントリー>
・メールの「返信タイム」