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やる気を維持するコツ

やる気というものは熱しやすく冷めやすいもの。これをキープするにはどうしたらよいでしょうか? ちょっと抽象的な話になりますが、ある人から、こんなことを聞きました。

人生には目標というものがあって、それに向かっていくのが人生だ、という意見がある。でも、それは違う。「成り行き」という滔々たる流れがあって、この流れにちょっとあらがってみようかな、という試みこそ人生だ。

考えてみると、日々の現実は想定した予定に必ずしも沿うとは限らないものです。しかも、予定を立てた時点の状況と、実際のその予定が実行される時点の状況とを比べると、明らかに後者の方が文字通り現実的です。

それゆえ、予定という流れがあっても、状況にあわせて臨機応変に実際の行動を変えていく、という方がトータルの結果が良くなるということはありそうです。

予定にはなかったものの、予定を立てた時点では掴んでいなかった情報を得たことで、予定通りに行動すると不利益が生じる場合。例えば、

 「今日中に手続きをしていただかなければ手数料が発生します」というような通知を受け取ったことで、新たに予定外の「手続き」をする必要に迫られるシチュエーション。

あるいは、

 「そもそも○○という事業は公共性を帯びたものなので、お上からの認可を得ていない事業者に任せてはならない」という前提があるとき、常にこれに風穴を空けようとする一定数の人たちがいること。

 人間には、既存のものを守り伝える人と、既存のものを壊して新たに作り出す人と2種類がいると思いますが、両者はコインの裏と表のような関係で、どちらかだけに依ってもうまくいかないものでしょう。

 個人レベルに落とし込むと、考える自分と、行動する自分という2つの側面が見いだされます。考えているときと行動しているときとを明確に分けて、この2つが混じり合わないようにすることで得られるメリットというものがあるように思います。

ハードディスクは時折デフラグをかけることで、パフォーマンスが上がるのと同様に、同じ24時間という“ディスク領域”であっても、その中が断片化されていたら、思うように時間を使えないということが出てきます。そういう時に、「今から3時間は考えるための時間!」ということにして、いっさいの仕事をせずに考えることに没頭する。そうしておいて、そこで得られた、立ち止まって改めて考えてみなければ思いつかなかったようなアイデアを、今度は「今から3時間は何も考えずに手を動かす時間!」という裏返しのフェーズで実践に移す、というメリハリをつけることで、パフォーマンスを上げることができそうです。

当然、考えるだけのフェーズでは想定外だったことに遭遇したり、やってみたら思いのほかたやすくできた、ということがあったりと、いろいろと発見があるでしょう。

いくつかの作業に分けてスケジュールを立てていたものの、実際にやってみたら一緒くたにできてしまって予定よりも早く終わらせることができた、とか、セミナーのみの参加で、その後の懇親会はパスする予定だったものの、思いのほかセミナー内容が興味深いものであったために懇親会にも参加することになり、その結果、仕事につながる知己を得た、とか。

結局、予定という“デッサン”がありつつも、これに縛られることなく色を付けていく段階で新たに降りてきたアイデアがあれば積極的に採用すべきだと思うのです。残るのは描かれるプロセスではなく完成図であり、これが評価されるものである以上は。

ちなみに、完成図が後に残って外からの評価を待ちかまえるものであるとするなら、プロセスは作り手の中に留まって次の“作品”に活かされるものと言えるでしょう。そういう意味では、ノウハウとかTIPSというのはある意味ではキッカケとか触媒のようなものでしかなく、その中身は一人一人が詰め込んでいかなければならないのだと思います。

で、自分で「流れ」を作りながらも、自らその流れにあらがう、という一見自己矛盾のような姿勢は、実は「考える自分」と「行動する自分」という2つの側面に分けて考えたときに何となく合点のいくように感じられます。

エネルギーは、順風の時よりも逆風の時の方がより生まれやすいことを考えると、自分で自分に「あらがう」という逆風を起こすことは、自律型エンジンとでも言うべき、やる気維持装置を回し続ける上で1つのヒントになるような気がします。

<やる気を維持するコツ>

自分で自分にあらがう