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1日を5つに区切るだけで時間はけっこう節約できる



佐々木正悟 1日を区切るという発想は、「タスクシュート」においては基本的な考え方なのですが、そういえばタスク管理一般ではもちろん、時間管理術でも正面から取り上げられることがあまりありません。

必須のことなのですが。

おそらく1日をどのように「区切った」ところで、それによって時間の節約になるという意味がよく分からない。そういうことなのでしょう。

これは、お金で考えてみると少しイメージしやすくなります。

24時間すべては使えない

月の収入が30万円あるとして、このうち光熱費、家のローン、年金や税金など、どうにもならないものを除くと、16万円くらいになるとします。

この16万円を1ヶ月で使う、ということがよくイメージできないために、給料日の日に「奮発」してしまって、給料日前頃になるといつもピンチになる、という人が一定数います。

そういう人は、16万円を4で割って、週に4万までとすると、そういう失敗を犯しにくくなります。なんなら、4万円をさらに7で割れば、1日に6000円が「上限」ということが分かるはずです。

実際にそれではちょっとオーバーしていますし、この場合、現金払いが6000円あったら完全にアウトでしょう。

時間もそれと同じなのです。

1日24時間であーするこーするということを、何の区切りもなく詳細にイメージなどできないものです。そういうことをしようとすると、給料日直後に豪華に外食するような時間の使い方をしてしまって、定時になってみて、終電間際まで帰宅できないことが判明したりするわけです。

ただ、1日を複数のセクションに区切るといっても、どんな風に区切ればいいか分からない、という人もあるでしょう。

それならとりあえず、自然な区切りを考えてみればいいと思います。

  • 起床~朝食
  • 朝食~出社まで
  • 出社~昼休み
  • 昼休み~定時
  • 定時~帰宅まで

これで5セクションです。

こうしてみるとそもそも1日24時間あれば、といった話の無意味さがよく分かります。

起床から帰宅まで、そもそも24時間などないし、どの時間帯をとっても最大で4時間といったところでしょう。つまりよほど恵まれた日であっても、1度に4時間以上かかることは、1日ではまずやりきれないと、そう思っているのが賢明なのです。

それに時間管理とは少し違った話を付け足すなら、セクションごとに「優先事項」というものは変化することが分かります。

どんなに大事な取引先とのやりとりがあったとしても、起床~朝食という時間帯において、そのようなタスクは優先度最低のタスクとしてすら、登場しません。

そう考えてみると、「大事なこと3つだけを、必ずやるようにしましょう」といったアドバイスの、その無責任な幻想性がよく分かるというものです。

大事なことというのは、時間帯によってその「大事さ」がちがうものですし、「3つだけ」といっても、どの時間帯に、どのくらいの時間をかければいいのか、およそ定かでありません。

なにより、1日を5セクションに分けてみて、「3つ」が各セクションに配置されたら、もうそれだけで大変なことになります。現実には「1日に大事なことを1つだけ、それも少し手がけるだけ」でも、とても難しいものであり、それが毎日できるなら、祝福すべき話なのです。