『アイデア・ブック2(トゥーボ)』という本に以下のようなくだりがあります。
脳は年を取るごとに手抜きを覚え、考える代わりに手っ取り早い近道を進むようになります。
一度学んだことを元に一般化したり、何か一つが事実であれば、似たものをすべて事実と見なしたりするのです。
先入観と偏見はしばしば誤解のタネをもたらします。それが滑稽で済めばよいのですが、惨事を招くこともあります。
このような、脳がより少ないエネルギーで情報を処理しようとする傾向、言ってみれば基本戦略というものを逆手に取りたい、とつねづね考えています。
例えば、キーボードの上に次にやるべきことを書いたメモを置いて席を離れれば、戻ってきたときにそのメモに気づいてすぐに取りかかれるでしょう。
でも、キーボードよりもディスプレイに目が行った場合は、無意識にメモをどけてキーボードを操作し始めてしまうかも知れません。
そこで、キーボードではなくディスプレイに大きめの付箋メモを貼っておくのはどうか?
おそらく、それも無意識に剥がしてしまうでしょう(経験済み)。
離席時に欠かさず「コンピュータのロック」を実践する習慣
共通点は、とりあえず今の作業に邪魔だから一時的に取り外しておこう、という「その場しのぎ」なのですが、結局のところ先送りをしていることになります。
これを防ぐためには、離席する際にディスプレイの電源を切ってしまうこと。そうすれば、メモ以外に目を引くものがなくなるので、ディスプレイの電源を入れてから画面が復帰するまでの間にメモに注意を引き付けることができます。
ノートPCの場合は、ディスプレイの電源が(手軽には)切れないので「コンピュータのロック」をするか、フタを軽く閉じておくと良いかもしれません(完全に閉じてしまうとスリープ状態になり復帰にわずかではありますが時間がかかるので)。
「コンピュータのロック」のキーボードショートカットは、Win+L(Windowsの場合) なのでこの方法が一番ラクだと思います。
いずれにしても、ディスプレイという注意の“トレイ”をいったんカラにしておくことで、脳が無意識に何かをしでかすのを抑えることができるはずです。
そして、カラにしておけばメモや付箋にも自然と目に付くというわけです。
付箋を使わない方法としては、離席時に「次にすること」をメモ帳などのアプリに書き出しておき、このウィンドウを最大化したうえで「コンピュータのロック」を行うのも良いでしょう。
これで、ロックを解除した直後にこのメッセージのみが目に入ってくるようになるからです。
↓以下のように「メモ帳」に記入したうえで、ウィンドウを最大化しておきます
ただ、目に付いた後に確実に(自分に)実行させるためにも、その「やるべきこと」をタスクシュートの適切な位置に書き込むことを躾けておく必要はあります。
一度躾けてしまえば、むしろタスクシュートに書き込まないほうが不安、ということで強固な習慣になるでしょう。
なお、僕自身は、以下のようにロック画面に自分で撮った風景写真のうち厳選したものをスライドショー表示させるように設定しています(設定方法)。席に戻ってきたときにお気に入りの風景写真が目に入ると、それなりにリラックス効果が期待できるからです。