毎朝の「読了本の読み返し」で、目下『ユダヤ人大富豪の教え』を読み返しています。本書を最初に読んだのは2008年10月で、当時と今とでは置かれた環境はもちろん、自分自身のあり方も変化しています。そんなこともあり思わぬ発見が相次いでいるのですが、とりわけ収穫だったのは「ビジネス成功の5原則」。
↓「読了本の読み返し」については以下の記事でご紹介しています。
本書の中で紹介されている「ビジネス成功の5原則」とは以下の5つです。
- 1.好きなことを見つける
- 2.そのビジネスで成功に必要なことはすべて学ぶ
- 3.小さくスタート、短期間で大きくしない
- 4.儲かるシステムをつくる
- 5.自分がいなくてもまわるシステムをつくる
本書を初めて読んでいた当時は気づかなかったのですが、今、この5つを改めて目にすると「なんだ、全部この本に書いてあったじゃないか」という“再発見”に至ったのです。
「ビジネス成功の5原則」(『ユダヤ人大富豪の教え』より)
1.好きなことを見つける
1は今となっては既にあちこちで言われている、実にありふれたメッセージではありますが、本書刊行時点(2003年6月)において、このメッセージが最初に挙げられている点が印象的です。
先取り感があるのです。
「好きなこと」とは「客観的な得意」ではなく「主観的な得意」と再定義できるでしょう。
「このことについてなら、いくらでも話せる」というテーマ。
はたから見ると「こいつ、得意になって話してるな!」という(嘲笑ではなく純粋に感心している)ニュアンスです。そういう意味ではこの「得意」は「夢中」と置きかえてもいいでしょう。
夢中になっているときは、(当然)冷静ではいられないので、なかなか自分では気づきにくいものです。
そこで、自分のことをよく知っている人に指摘してもらうなり、記録を介して、自ら見つけ出すことになります。
記録から見つけ出すときは「どうやら、この時間帯は○○に夢中になっていたことが窺い知れる」という具合になるでしょう。
2.そのビジネスで成功に必要なことはすべて学ぶ
2は僕自身がこの9年間に取り組んできたことそのものであり、今後も取り組み続けていくことでしょう。
「夢中」を見つけたら、それを軸にしたベストなパターンを編み出すフェーズに移ります。
例えば、ある食材のプロを自認する人物はあらゆる調理方法を試しながら、ベストなレシピを見つけ出し、最高の料理としてふるまうでしょう。
提供方法についても同様で、その食材にとって最高のプレゼンテーションになるように工夫を怠らないはずです。
2001年10月に読んだ阪本啓一さんの『スローなビジネスに帰れ』という本に「成功のトライポッド」ということで次の3つの要素が解説されていましたが、「そのビジネスで成功に必要なこと」とはこの3つをバランス良く満たしていくことではないかと今は思えます。
- 内容(コンテンツ)
- 届け方(デリバリー)
- 顧客との関係性(コンテクスト)
スモールビジネスであろうとビッグビジネスであろうと、すべてのビジネスは「内容」「届け方」「顧客との関係性」の商売三要素をバランスよく組み立てなければならない。これを私は「成功のトライポッド」と呼んでいる。
先の例で言えば、「食材」が内容であり、「調理方法」や「提供方法」が届け方や顧客との関係性に当たるでしょう。
3.小さくスタート、短期間で大きくしない
3はその後に読むことになる『いい会社をつくりましょう』という本の核となるメッセージです。
当時はピンときませんでしたが、「年間10%の成長を堅持する」という姿勢に感じるところがあり、「そういうことか!」と腑に落ちました。
10%というのは、これより多くても少なくてもいけないのです。
↓『いい会社をつくりましょう』は以下の記事で取り上げています。
以下、本書における僕が好きなくだりです。
私は、会社の目的、会社の価値は、永続することであると考えます。利益も成長も、そのための手段です。着実な低成長を年輪のように重ねて永続することによってはじめて、会社と直接・間接にかかわる人々が幸せになっていきます。
だから永続は価値があるのです。会社をとりまくすべての人から「いい会社だね」と思って支えてもらえなければ、永続することはできません。
私は、企業を永続させるためにどうすればよいのかを考えてきました。利益や成長は手段であり結果であって、経営の目的ではありません。
↓僕自身もまだ読み始めたばかりですが、同じ著者の最新刊です。こちらはKindle版があります。
4.儲かるシステムをつくる
4は『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』という、長い長いタイトルの本で詳しく掘り下げているテーマです。
↓以下の、やはり長い長いタイトルの記事でご紹介しています。
ポイントは次の2つです。
- マーケティング:誰にどのように買ってもらうか
- 儲かるシステム:お客をいかに喜ばせ続けられるか
よく言われる「仕組み化」(システム化)も重要なのですが、システマティックに凝りすぎるとうまくいきません。
5.自分がいなくてもまわるシステムをつくる
最後の5はつい最近ご紹介した『伝えることから始めよう』にも出てきたトピックです。
↓本書については以下の記事で。
ポイントは次の3つ。
- 誰が管理してもうまくいくようにすること。
- やらなければ生活できないからやるのか楽しいからやるのか。
- 自分の我を出しすぎない。
まとめ
以上5つですが、いずれも僕自身まだまだ途上にあることを痛感させられたので、それぞれ読み返しもしっかりやっていこうと思いました。
↓「過去に読んだ本の読み返し」は実りが多いものなので、改めておすすめします。