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望ましい結果をくり返し再現するためのヒント

By: Roman BoedCC BY 2.0


大橋悦夫

集中力というのは、裏返すと言い訳をしないということ。
自分はそれまで言い訳が多すぎた。

これは、プロゴルファーの中嶋常幸さんの言葉です。

随意的にコントロールできないことに注目する

「集中しよう!」と思っても意図的に自分を集中状態に持ち込むことはできません。

具体的に何をどうすればいいのかがわからないからです。

このように、随意的にコントロールできないことが仕事では意外と重要だったりします。

例えば、

  • (企画書を書くための)良いアイデアをひらめこう!
  • (明日の朝は早いので)眠ろう!

などと思っても、なかなか思うとおりにひらめいたり眠ったりはできないものです。

そればかりか、そう思えば思うほど遠ざかっていくようなこともあるでしょう。

そこで、間接的にそういった状態を呼び出すための手段を講じます。

冒頭の「言い訳をしない」というのはその1つです。

“道順”を再確認する

このような手段というのは考えて思いつくものではなく、実際に行動を起こしてみて初めて「降りてくる」ものだと僕は考えています。

例えば、

  • 気づいたら2時間ずっと同じ仕事に没頭していた。

という体験を振り返ることによって、そこから自分がその2時間をどのように過ごしていたのか、その仕事に入る前にどんなことをしたのか、どんな気持ちでいたのか、などを次々と思い出し、因果関係を探っていくのです。

特に、望ましい結果が得られたのであれば、それを繰り返し再現するためにもその“道順”を再確認しておきたいものです。

「たまたま」という言葉で片付けるのは簡単ですが、因果関係を掘り返しては「これか?」「それともこれか?」という照合作業と試行錯誤を繰り返すことで、いつしか自分なりの答えに辿り着けるはずです。

本当に自分が納得できるのは、言葉にしたときに訪れる「しっくり感」ではなく行動を通してじわっと広がる「しっくり感」なのだと思います。

「言い訳をしない」という“解”に辿りついた中嶋常幸さんも、それまでに幾多の照合作業と試行錯誤を経たはずです。