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タスクのシーケンシャル管理から見えてくること

今つくろうとしているタスク管理ツールはタスクのシーケンシャル管理を指向しています。

短期管理ツールがほとんど「備忘メモ」とニアリーイコールなのに対し、長期管理ツールはプロジェクト別にタスクを管理できるようにある程度の機能の作り込みがなされています。両者に欠けていて、シリアル管理ツールが備えている(備えさせたい)視点は、文字通りシーケンシャル管理です。

シーケンシャル管理とは、ファイルのシーケンシャル・アクセスをヒントに思いついたタスク管理のアイデアで、タスクの種類に関わらず時間軸に沿って一列に並べて、順番に処理していくためのものです。

この方法は一見スマートに見えますが、盲点があります。

それは、機械的であること。機械的であるが故に、生身の人間が取り組もうとするとどうしても綻びが出てしまうのです。どんなに完璧を指向しても、生身の人間にはおのずと限界があり、どこかで折り合いをつける必要性に迫られます。

どうしたら目標・時間の管理ができますか?(発言小町)

もともと大胆でおおざっぱな性格。お尻に火がつけば3日ぐらいの徹夜も厭わないのに、普段は「明日できることは絶対に今日やらない」派なんです。多忙なので、毎日の30分・1時間の余裕時間に何ができるかが勝負の分かれ目なのですが、その30分についつい雑誌を読んだり、ネットをしたり、お茶を飲んでしまいます。

という投稿に対して、以下のようなレスがついていました。

仕事量を減らした方がいい

ズルズルと余暇時間についなってしまうのはその時間や不要ではなくがあなたの体がその時間を必要としているからと考えます

まったく同感。ついついだらだらしてしまう自分を責める必要はありません(≠甘やかす)。

例えば、仕事に使える時間が12時間あるからと言って、この12時間をまるまる仕事に充てられるかというと、機械と違って途中で休んだりだらだらしたくなったりする人間にはとても無理です。

そこで、12時間のうち正味何時間なら集中して取り組めるのかを予め知っておくことで、時間を過大評価することなく無理のないスケジュールを立てることができます。

もちろん、集中可能な時間の長さや質は仕事の内容によって様々でしょう。それゆえ、作業記録が重要になってきます。

作ったばかりのタスクリストはフィールド調査のための未記入の白地図のようなものです。実際のフィールドで見聞きしたことを追記していくことによって、自分だけの記録地図が作られていきます。

この地図は、次の調査の足がかりになります。どんな作業にどれだけの時間がかかるのか、そして作業に入る前に想定していた作業手順は、実際の作業を通してどのような修正や例外に遭遇したのかを記録しておくことにより、精度の高い“地図”を描くことができるようになります。

自分がある作業をするのにどれだけの時間が必要なのかを把握するのはもちろん、その作業を終えた後にちょっとブレイクして次の作業に取りかかるまでの“セットアップ時間”がどれくらい必要なのかも作業記録から読み取ることができます。

そう考えると、タスクのシーケンシャル管理は、生身の人間の現実から目を背けることなく、文字通り現実的なタスク管理を実現していくための1つの手段になりそうです。