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時間帯ごとにタスクを管理する

会社の規模が大きくなってくると、いわゆるカンパニー制と呼ばれる、各事業部ごとの分権経営というスタイルを採る事例をよく耳にします。

タスク管理でも同様で、同時に進めているプロジェクトの数、あるいは同時に発生するタスクの数が1ケタである間は、何とか特別なツールなしで管理可能ですが、2ケタを越えた辺りから難しくなります。

タスク管理ツールのような仕組みを導入することのメリットは、複合によって生まれる利益を残しつつ、同時に発生する不利益をなるべく少なくするところにあります。

例えば、1人でやるより2人でやる方が作り出せるものの量が多くなったり、効率が良くなったりしますが、1人でやっていた時には必要のなかった役割分担を考えることや分配作業が発生します。2人ならたいした手間にはなりませんが、それが10人になると誰か1人がこの間接作業を一手に引き受けなければ回らなくなってしまいます。

とはいえ、最近では1人で仕事をしていても、1人の人が質の異なる複数の仕事を同時並行して進めるような状況が増えてきているようで、朝から晩までずーっと同じ種類の仕事に没頭していればいい、という牧歌的な時代とは別のマインドセットが求められているように感じています。

そのためには、フォーカス切り替え能力とでも言うべき、以前からも認識されつつも広く認知されることのなかった能力を意識的に向上させる必要があります。

フォーカス切り替え能力は、

  • 今やるべきことに集中する
  • そのために必要なことだけを視界に置く
  • それ以外のことはすべて視界の外に追いやる
  • それでいて必要な時に必要なことを素早く視界の内に戻す

といった一連の制御機能に分解できます。

ここで一番大切なことは最後の「必要な時に必要なことを素早く視界の内に戻す」機能だと考えています。これ以外のことはやろうと思えばすぐにできるからです。例えば「視界の外に追いやる」ことは日常的に繰り返しています。「今はこんなことしている場合ではない!」ということで、進行中の仕事をいったん保留して、緊急の仕事に集中するような場合です。

問題は、保留しておいた仕事に戻る場合で、ここで“レジューム”がうまくいかないと手戻りが発生してしまいます。

そこで、まずは時間管理を“アウトソース”します。今やっている仕事が遅滞なく進められているかどうかはいちいち人が把握しなくても、ツールに記録しておけば事足りるようにするわけです。これで、脳の考えるリソースが増えます。

今回のタスク管理ツールでは、セクションごとに時間管理をするようにしています。こちらで書いたとおり、別シートで日別・時間帯別の見積もり時間合計が確認できるようにしています。

そして、今回追加したのが右のシート。各セクションは3時間の枠と決まっているため、その枠に3時間を超えるタスクが割り当てられている場合は赤、3時間未満であれば青、という条件付き書式を設定しています。未割り当てのセクションはグレーになります(念のため深夜のGも追加)。

でも、いちいちシートを切り替えるのは面倒です。

そこで右の図のように当日の分についてはメインのシートでも確認できるようにしました。

時計をイメージしており、左側中段がA(6:00~9:00)、左側上段がB(9:00~12:00)、右側に行って上段からC、D、Eと続き、再び左側に戻ってF(21:00~24:00)、という配置にしています。

時計回りになっているばかりでなく、左側が午前中、右側が午後という位置関係も考慮しており、視覚的に時間を読み取り易くしています。

原則、仕事はB~Dの3セクション9時間分しか使わないはずなので、EとF、そしてAに数字が入ることはありません(図では入ってますが…)。

なお、この部分は数式では実現不可能なため、タスクの並び替えをするたびに、マクロで書き換えています。

これで、どの時間帯が混んでいるかが事前に見通せるため、先の時間帯が安泰であれば安心して今の仕事に集中することができます。