昨日の続き。
この結果を厳粛に受け止めて、明日に活かすために反省をしてみます。反省するには、各タスクごとの集計表があると便利です。例えば、右の図のような感じです。これはExcelなら数式による参照で簡単にできますね。
この表を見ると、まず、超過の最大の原因となったタスクは「B社のWebサイト企画書作成」で1.75時間の超過です。ほとんど倍ですね…。「まぁ、2時間もあればできるだろう」というノリで見積もると、たいていこんな感じになります。「2時間」に責任が持てていない状態と言えます。
では、どうすれば責任を持てる状態にできるでしょうか?
ということで責任を持てる状態にする方法です。例えば、2時間かかる、というその根拠が自分の中で明確であれば、その2時間に責任を持てることになります。
そこで今回は、根拠を自分の中で明確にするにはどうすればよいか、について考えてみます。
ヒントとなるのがこちらで紹介したリアルタイムログです。
そんなこんなで、僕がここ1週間ほど試してみて調子がいいのが、「リアルタイムロギング」メソッド。
冒頭の「報告書作成」でいえば、作業を開始するときに■××向け報告書最終化
後半へのつなぎを考える
タイムテーブルの再確認などとロギングしておくだけです。「なんだよそれだけかよ!」という感じです。しかしなんとも情けないことに、たった2時間の作業なのに、しばしばこのログが役に立ってしまうのです。いつの間にか「こだわり」の悪魔に支配されて、オブジェクトの配置揃えなんかを一所懸命やってしまい、ハッと我に返ったとき、この2時間で最低やるべきことを思い出させてくれます。もちろん「中断」に対しても有効。
ここでやっていることは、
●大きなタスクをすぐにできる小タスクに分割する
ということ。さらに以下を加えます。
●分割した小タスクごとに必要な時間を割り振る
小タスクは作業と言い換えても良いでしょう。もともとタスクごとに時間を割り当てているわけですが、「なんとなく2時間」ということであれば、そこには明確な根拠がないわけで、根拠を得るためには「これなら15分でできる」「これは30分だな」という実際の作業時間が想像できるレベルにまで分解する必要があります。
問題となっている「B社のWebサイト企画書作成」であれば、このタスクが完了する、すなわち企画書が完成するまでに必要な作業を想像し、リストアップすることになります。
「明日の自分を動かすコツ」では以下のような分割の例を挙げています。
そこで、その日の仕事を終えて、翌日の予定を決めるときに、明日の自分が「どこから手をつければいいのやら…」と戸惑ってしまわないように、明日の自分(≒他人)の視点を想像して、やるべきことをストレートに表現してあげると良いのではないでしょうか。
例えば、
●「A社向けの企画書を作る」というタスクなら、
→ B社の案件を参考に企画書を作る
→ B社の案件に関わったFさんに話を聞く
→ Fさんに話を聞くための質問をまとめておく
(その他、思いつく限り列挙)
このように、企画書を作る時に、自分が実際にやるであろう作業を思いつくままに書いていき、作業をする順番に並び替えていきます。そして、作業ごとに必要な時間を割り振っていきます。「企画書作成」レベルではあいまいにしか言えなかった所要時間が、実際の作業が想像できるくらいの小タスクに分解し、それぞれごとに必要な時間を割り当てていくことで、その合計が「企画書作成」のための、自分で責任が持てる2時間ということになります
例えば、右の図のような感じです。こうしてできたリストを見ながら上から順番に作業を進めていけば、企画書は自然と完成するはずです。
従って、このリストの完成度がキモになります。作業を始める前にリストをざっと眺めることで、作業の過不足が見えてくるので削ったり追加したり並び替えたりすることで作業手順が明確になり、手戻りを減らすことができます。
例えば、#2の段階でFさんとの打ち合わせがすぐにできるとは限らないので、まずFさんの予定を確認し、先にアポを入れてしまうなどの先手を思いつくことができます。打ち合わせが翌日以降になる場合は、別の仕事を組み込むなどして、その日の“デッサン”をより最終イメージに近い形に書き換えていくことで仕事をコントロールすることができるようになります。「企画書作成」だけでなく仕事全体にわたって自分がいつ何をするかという見通しがクリアーになるからです。
タスクの分割にはいくつかコツがあるのですが、こちらについてはまた来週。