5年前に、とある雑誌の書評で知ったこの本。
» 『あなたがあたえる 大富豪ピンダーの夢をかなえる5つの秘密』
本棚の整理をしていて、久しぶりに手に取りました。
5年ぶりに読み返してみたら、内容をすっかり忘れていたこともあり、クライマックスを新鮮な気持ちでもう一度回味わうことができました。
この5年の間に僕の内外で起きたさまざまな出来事が、味わいを深く濃くしてくれたということもあるのでしょう。
ともあれ、これから読む人には、きっと今の僕と同じような気持ちを味わってもらえるのではないかと思います。
いわゆる成功本ですが、予定調和ながらも、ストーリー設計が巧みで、
途中で何度か「気持ちの良い肩すかし」を食らいます。
「あぁ、ここでこうなるわけね・・・って、あれ? 違うの?」という揺さぶりを受けるたびに、
自分の中の擦れた心に気づいてハッとさせられ、
読み進めていくうちに、主人公とともに少しずつピュアな気持ちを取り戻し、
すっかり純化したところで満を持して、ラストを迎える。
ここで得られるカタルシスが本書の魅力です。
メインテーマは「ビジネス戦略ではなく生き方の問題」。
どうすればビジネスにおいて成功を収められるか、という問題は「イシュー」ではなく、
それとはまったく別の意外なところに目を向けることで
初めて本質的な解決に到達できる。
象徴的なメッセージは以下。
金儲けはわるいことじゃない。わるいどころから、大いに結構だ。ただし、儲けることを目標にしても、成功は手に入らない。
200ページ弱で1時間もあれば読み終えることができるでしょう。
このわずか1時間で、明日からの仕事の取り組み方はもとより人生全般についての考え方が変わるはずです。
僕も、折に触れてまた読み返そうと思っています。
追記@2014/01/31 23:57
↓2014年1月29日に新訳版が発売されました! タイトルは変わっていますが中身は同じです(実際に買って確かめました)。こちらの方が入手しやすいと思います。
合わせて読みたい:
関連エントリー:
・「こうすれば成功する」は本当か? むしろ・・・
・成功の一歩手前であきらめていないか?──あと一歩を踏み出すヒント
・宅麺みたいなビジネスは商い(飽きない)の良い見本
・損をしたくなければ「方法」は捨てる
・戦う場所を間違えると戦わずして負けることになる
・価格設定で悩んだら自分の利益を一番「最後」に考える
・「スキル」を身につけるより「好きになれる」ことに身を投じていく、という指針