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速読術を学ばずに本を素早く読む6つの方法

By: Jayel AheramCC BY 2.0


  • 1.タイマーで時間を区切る
  • 2.黙読する
  • 3.目的を確認してから読み始める
  • 4.事前に内容を知っておく
  • 5.英書を一段落読んでから読む
  • 6.とにかく速く読む

ビジネス書が山のように出版され、「本を読むこと」の意義が著名人によって強調されている最近だけに、「多読」するかどうかはともかくとしても、興味深そうな、ためになりそうな本があれば、とりあえず手に取ってしまいます。


しかし手に取るだけではなく、本は読まなければ始まりません。これだけたくさんの本があれば、少しでも早く読みきりたいのが人情です。とは言っても、いわゆる「速読術」を勉強するお金や時間をあまりかけたくない、という気持ちはどこかにあります。やっぱりちょっと信じられない、という気持ちも強いのでしょう。

それに、はたして自分が本当に「猛烈な速度で本を読みたい」と思っているかどうかが疑問です。愛読書などでは、むしろ読み終わってしまうのが残念です。矛盾するようですが、たくさんの本を素早く読み切りたいと思うと同時に、本はいつまでも読んでいたいという気持ちもあるわけです。

そこで私は、著者の方には申し訳ないけれど、とりあえず「素早く読み切りたい本」だけを別に分けて、これを我流の「速読メソッド」で読み切るようにしています。言うまでもなく、各種速読術の影響も多分に受けています。

実は少し古い本なのですが、私が一番影響を受けたのは、以下の本かもしれません。


1.タイマーで時間を区切る

タイマー以外でもこの効果を実感できるのが、電車の中です。乗車中は、時間が限られています。ですから、とにかく一定の速度で読んでしまわないと、ほとんど何も読まないうちから、下車することになるわけです。

それから、時間を区切ることで、とりあえず「読み始める」という効果が得られます。速読とはなんの関係もないようですが、実は本を開いても読み始めていないうちに、時間をムダにしていることがあります。それがなくなるだけでも、けっこう時間の節約になるのです。

なお、タイマーについてはぜひ以下のエントリをご覧下さい。大橋さんのタイマーレビューエントリです。大変参考になります。私もこのエントリを見て、「こんなに便利なのがあるんだ!」と思って一つ入手したのです。

» 仕事のスピードをアップさせるタイマー選び 

2.黙読する

「黙読なんか、いつもしているよ!誰が朗読して本を読む!?」と言われそうですが、私たちは黙読しながら朗読していることが多いのです。どういう事かというと、心の中で声に出して読んでいるのです。

これをやっていると、たとえ黙読しているつもりであっても、脳内で喋っている速度がボトルネックになってしまい、なかなか読む速度が上がってきません。脳内のおしゃべりは一切やめましょう。黙読中、頭の中で朗読できるということは、それだけゆっくり「読んで」いるからできることです。

これを振り切るだけで、だいぶ違ってきます。本当の黙読にすれば、読書のスピードは確実に2倍にはなります。なお、速読の本ではないのですが、私はこの発想のヒントを、次の立花隆さんの本から得ました。

『「知」のソフトウェア』(講談社現代新書 (722))


3.目的を確認してから読み始める

『レバレッジ・リーディング』をはじめ、ほとんどの速読術で紹介されている方法です。ですから、あまりくだくだしい説明は不要でしょうが、これはとにかく実践するしかありません。ただ何となく読み始めると、読み方が散文的になってしまって、頭で整理するのに時間がかかります。

言うまでもないことですが、エッセイならそう読めばいいと思います。また、私小説のようなものを「目的をはっきりさせて」読むと、たいていつまらなくなります。冒頭に書いたとおり、この方法はあくまで、「素早く読みたい本」限定です。

» 『レバレッジ・リーディング』


4.事前に内容を知っておく

目的を持って読むということと似ていますが、目的をはっきりさせてもすぐに書籍を読み始めないで、その目的をどこで、どのように得られそうか、事前に確認しておきます。

書評やプレビューが、今はアマゾンなどで簡単に読めますから、それらを利用するとよいでしょう。

知人が著者であったり、何度も読んで馴染みのある著者の本は、速く読めます。それは、書きそうなことが何となく想像できるし、書き癖のようなものを頭に入れてあるからです。

5.英書を一段落読んでから読む

関係する英書でなくてもかまいません。ワシントンポストの一面の第一パラグラフでもかまいません。英文であればいいのです。ただし、意味がわかるまで読みます。必要なら辞書も引きましょう。

これをわずかな時間でもやっておくと、「読む」という行為は実に大変なことだと、脳が再認識します。単語、文法、文化的背景などが、ほとんど無意識のうちに理解できるから、文章は一読で意味が通るのです。日本語なら当たり前のことでも、英語ではとても大変です。

その大変なことをあらかじめやると、日本語を読むことが、とても楽だと感じられます。重いバットを何度か素振りしてから、自分のバットを振ると、非常に軽く感じられますが、筋力の残存効果は、脳にもあります。それを利用して、速読に活かすのです。

6.とにかく速く読む

みもふたもないようですが、実はこれだけでもけっこう速く読めます。なんでもそうですが、「全力疾走」と「マイペース」とは速度が違うのです。

以上の六つを全部活用して、本を一度読んでみて下さい。きっと速く読めるはずです。ただし、最初のうちは疲れるでしょう。あとは慣れです。慣れてくれば以上をすべて実践しても、べつに疲れはしなくなります。そして少なくとも半分の時間で、一冊の本が読めるようになります。