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「ひとり合宿」を7回開催して実感している効果と注意すべき点

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大橋悦夫昨年(2014年)暮れから「ひとり合宿」に取り組み始めました。

その名の通り、ひとりでホテルにこもって作業に打ち込む、というものです。

これまでに7回“開催”してきました。初回のみ3泊4日で、以降は2泊3日だったり1泊2日だったり。

  • 2014年12月
  • 2015年01月
  • 2015年02月
  • 2015年03月
  • 2015年04月
  • 2015年07月
  • 2015年09月

より良い作業環境を求めて、ホテルをいくつか試しつつ、合宿期間中の過ごし方も試行錯誤の中でブラッシュアップさせていきました。

その結果どうなったか。

高い効果を実感しつつも、注意すべき点も認識

いつもと違う環境に身を置くことで、おのずと緊張感が高まります。

必要なモノしか持ち込まないことで、やろうと決めたことに脇目も振らずに取り組むことができます。

当たり前ですが、必要だと思ったものしかそこにはないわけですから良い意味であきらめがつくのです。アウェイです。

一方、文字通りホームである自宅がいかに不要なものに満ちているかを改めて痛感させられます。

その結果、日頃から先送りを繰り返してきたプロジェクトにがっつりと向き合うことができたり、少し先にやりたいことについて考えを進めることができたり、普段では思いつかないようなアイデアが降りてきたり、といった「効果」を実感できました。

一方で、毎月定期的に行うようになったことで、少しずつマンネリ化が始まりました。

1杯目のビールが最高で、2杯目以降はどんどん味が落ちていく、といういわゆる限界効用逓減の法則どおりの展開です。

端的にいえば「合宿に行きさえすれば仕事が進む」という過大な期待を抱くようになるのです。

毎回、合宿の初日に前回の合宿の記録を読み返すところから始めるのですが、2015年4月の合宿の際に、ふと初回(2014年12月)の合宿の記録を読み返してみました。

その結果、定期開催をやめることにしました。

ピットインに学ぶ

定期開催をやめる代わりに始めたのが不定期開催です。

つまり、「必要だ!」と感じたら開催する、というわけです。

その後は自分でも驚くくらい不意に開催するようにしています。

「ひとり合宿」は、F1レースでいえば「ピットイン」のようなものだと考えています。

F1レースに出たことはありませんが、ピットインするかどうかは、レース状況とマシンのコンディション(燃料の減り具合やタイヤの消耗度合い)によって臨機応変に決めているはずです。

「ひとり合宿」も同様で、外部環境(マーケットとトレンド)と内部環境(自分の心身およびビジネスのコンディション)の変化に合わせて、必要に応じて行ったほうが良いだろう、というわけです。

このあたりについては、9年前に記事を書いていました。

ブラックボックス化というのは、なぜそれをするのか、なぜその方法なのかがわからないけれども、とにかくその方法でそれをすればOK、というモデルができあがった状態です。

電子レンジに弁当を入れてボタンを押せば、弁当は温められます。電子レンジがどういう仕組みで弁当を加熱しているのかを知らなくてもいっこうに構いません。

でも、毎日ブログを書いていて、だんだんと一連の手順が洗練されていき、手先が次の作業を予測して小気味よく動くくらいに習熟してくると、その心地よさゆえにそこから抜け出すことに不快感を覚えるようになります。

「いまこのやり方でとりあえず回っているのだからいいじゃないか」
「余計なことをしてデグレさせたらアホらしい」
という守りに入ってしまうのです。

まさにこれです。

「ひとり合宿」を充実させるうえで欠かせない2つのポイント

「ひとり合宿」を充実させるうえで欠かせないポイントが2つあります。

  • 1.普段と異なる環境に身を置く
  • 2.自分ひとりと徹底的に向き合う時間を持つ

いずれも、普段からすると「異質」に感じられることが重要です。

1については、環境が「異質」と感じられることで、おのずと緊張感が高まります。従って、毎回同じホテルを利用し続けていると、次第に馴れてしまい、効果が減衰します。

2については、「普段はそこまではできない」というくらいの徹底的な追い込みです。言い換えれば、日常のルーチンをリセットすることです。

例えば、「この際だから、この(Evernoteの)ノートブックのノートをすべて読み返そう」という行動は、ルーチンにまみれた毎日においてはなかなか踏みだしにくいのです。

従って、合宿に臨むに際しては毎回必ず「今回の合宿で取り組む課題」をリストアップするようにしています。

なお、上記以外で重要なことについては『「ひとり会議」の教科書』がおすすめです。「ひとり合宿」は「ひとり会議」の拡大版といえるからです。僕自身、「ひとり合宿」を始めるときにおおいに参考にさせていただきました。

とにかく「質問」がたくさん載っています。

質問されると、反射的に答えを探し始めてしまうのが人間ですから、質問に自分をさらすのは有効です。

例えば、以下のような質問です。

「目標はなにか?」
「なにが上手くいっているのか?」
「なにが上手くいっていないのか?」
「だからなにをすべきなのか?」
「これらの質問により手に入れたものはなにか?」

[例]
「目標はなにか?」
→ 「3ヵ月後までに5キロやせること」
「なにが上手くいっている?」
→ 「間食は完壁にやめた」
「なにが上手くいってない?」
→ 「実は夜遅くラーメンを食べている」
「なにをすべき?」
→ 「ラーメンを食べた翌日は1時間早く起きて、朝、歩く!」
「なにを手に入れた?」
→ 「あと3ヵ月でやせられるという実感!」

質問以外にも、ひとりで取り組めるワークや手順が大量に載っていて、読みながらウズウズしてくる一冊です。

1.問題、不安をすべて書き出す。
2.グループごとに分ける。
3.さらにそれぞれを次の4つのパターンに分ける。
 A「いついつにやる」(To Doにいれる)
 B「誰々に頼む、聞く](To Doにいれる)
 C「受け入れる」(解決不可のことは悩みつづけてもなんにもならないのです)
 D「捨てる」(全部できなくてもいい。優先順位の低いものは捨てる)

1.「ひとり会議をする」という予定を書き込む。
2.ひとりになれる場所に行く。
3.「今からひとり会議をはじめます」と心の中で宣言をする。
4.自分に向けて近況報告を書く。
5.「5種類のひとり会議」から好きなものを選ぶ。


まとめ

ということで、この記事を読んで「ひとり合宿」をやってみようと思われた方は、ぜひピットインのごとく不定期に開催されることをおすすめいたします。

おまけ:個人的に気に入ったホテル

利用したホテルは主に都内です。そのうち気に入ったホテルを2つご紹介します。

東急ステイ青山プレミア(外苑前・青山一丁目)

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東急ステイは青山プレミア以外にもいくつかあるのですが、共通する特長として各部屋に以下の設備があることです。

  • 乾燥機付き洗濯機
  • 電子レンジ
  • 簡易キッチン(一部)
  • アクオス液晶ディスプレイ

乾燥機付き洗濯機はランニングをしたときにはウェアを部屋で洗えるのでたいへん重宝します。

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レンジやキッチンがあると、もはやそこは家ですね。

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レンジは必ずありますが、キッチンは広めの部屋にしかありません。
以下の写真はキッチンつきの部屋(広めの部屋)です。冒頭の写真は狭めの部屋です。

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また、アクオス液晶ディスプレイがあるので、マルチディスプレイ環境で作業ができます。ホテルによってはPCと接続しても映らないようになっていることがあるのですが、東急ステイではちゃんと外部ディスプレイとして使えます。

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部屋の向きによっては富士山がばっちり見えます。

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【総評】 無駄なところにはお金を掛けない代わりに洗濯機やレンジを設置するなど実用性重視という印象です。朝食は同じビルに入居する「アーキテクトカフェ」というカフェでビュッフェ形式。高級感はありませんが安っぽくもない実用性重視。昼食と夕食は青山の街に出るしかありません。ただ、外食の時間が惜しく感じられるので、部屋で食べられるものを買い込んで引きこもることも多いです。ルームサービスはないので。


グランドアーク半蔵門(半蔵門)

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単純に皇居でランニングをするのに便利そうだから、ということで選びました。

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早朝ランニングをして、あとは部屋にこもって作業。東急ステイ青山プレミアと違い、備え付けの液晶テレビは外部ディスプレイとしては使用できませんでした。

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付随的な要素ですが、景色が美しくてしばし見惚れました。

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【総評】 液晶ディスプレイが使えないのが残念でした(普通の宿泊客にはどうでもいいことでしょう)が、それ以外は最高です。景色もきれいですし、サービスも丁寧(こもって作業をしていたため2日以上「起こさないでください」というプレートをドアノブに掛けっぱなしにしていたら、フロントから電話がかかってきて「お身体の具合でも悪いのかと思いまして…」と言われて驚きました)。そして何よりも食事が美味しかったです。朝食だけでなくランチもディナーも複数のレストランから選べます。まぁ、当然高めなわけですが、合宿中は特別ということで昼か夜のどちらかはホテルで食べました。外食は麹町方面に出る必要があり、やや遠い感じです。