毎日の仕事においてはまったく新しいことというのはほとんどなくて、多くは昨日と同じ作業の繰り返しである場合が少なくありません。
そんな一見変化に乏しい毎日の中から「おぉ?!」「なるほど」「へぇー」という驚きや感心を見い出し、これを一般化した上で、意図的に別の場面に応用するべく「コツ」という形に彫っているのがシゴタノなのですが(改めて定義してみるとこんな感じ?)、アイデアというのはポッと思いついた瞬間にどこかに書き留めておかないと、すぐに跡形もなく消失してしまいます。
そこで、とりあえず仕事をしながらたまたま辿り着いた方法論や思いつきをせっせとネタ帳に記録するようにしています。
とはいえ、「ネタ帳」としてその中身を活用するよりも、書くだけ書いてあとは放置してしまう「寝た帳」の方が世の中には多いような気がします(積ん読本のような)。
ネタ帳を運用する上で大事だと思っていることの1つにざっとでも良いから毎日欠かさず眺めることがあります。盆栽を育てるように、1つ1つのネタを毎日見て、気になったところを“剪定”(せんてい)する。
例えば、この作業を毎朝の習慣にすれば、ネタのいくつかが頭の片隅にうずくまり、日中ずっと勝手に発酵プロセスが進みます。
そして、歩いているときや何気なくボーっとしている時にやにわにひらめきます(既存の全く関係のないアイデア同士がつながったりします)。
以前は毎日のように「今日は何を書こう?」と悩んでいたものですが、最近ではネタ帳にいくつか控えている草稿段階のネタをざっと眺めて、「今日はこのネタを完成させよう」という意気込みで、完成一歩手前のドラフトを取り出して、完結させる、という流れになっています。
当然、以前よりもブログの継続がラクになりました。
ブログを書くこと自体も楽しい作業なのですが、ネタ帳を眺めながら「こっちの話はあっちの話とつながりそう」などとあれこれ思考の試行錯誤をするのもまた一興です。
ネタ帳(TaskPrizeというソフトを使っています)には毎日の仕事を通して気づいたことがごちゃごちゃに入っていますが、このごちゃごちゃ具合が逆に良い刺激になっているようです(こちらで実際のスクリーンショットをまじえて紹介しています)。
本棚も似たような感じになっていて、引っ越してきた時、ダンボールに入った本を勢いに任せて内容を気にせずとにかくどんどん本棚に収めていった結果、宮城谷昌光の文庫本の隣にExcelの解説書が並び、さらにその横には巨大な英和辞典が鎮座するというような混成布陣になっています。あえてそうしているわけでもなく。
でも、そんな背表紙をぼーっと眺めていると、一見何の繋がりもなさそうな本同士が、意外な共通点を持っていることに気づいたり、あるいはその組み合わせの妙をヒントにまったく関係のないアイデアを見いだしたりします。
ネタ帳にも同じような効果があります。特段の意図を持たずに何となくブラウズしながら、脊髄反射的に、あるいは必要に応じて書き出しの部分を手直ししたり、一部削ったり、新たに仕入れたネタを書き加えたりという、何というか“ネタ帳ガーデニング”を続けることで、いくつかの鉢からは花が咲いたり実がなったり、します。
ブログのネタ帳を活用するコツ
ネタ帳を毎日眺めて手入れする。