「継続は力なり」とよく言われますが、その続け方に注目してみます。
例えば、筋トレ。バーベルを決められた回数だけ上げ下げするのではなく、そのトレーニングで鍛えたい部位に意識を集中しながら行うことが大事だとされます。
とはいえ、他方で、意識しなくてもできるようになった方がよい習慣もあります。
毎朝その日の自分の予定を関係者にメールする、という習慣を以前ご紹介しました。
毎朝、仕事で関係している相手に以下のようなメールを送ります。
—-
●の時間帯はほぼ電話連絡が可能です。
×の時間帯は電話連絡は難しいです。9:00?12:30 ●オフィスで作業
12:30?14:00 ×移動&昼食
14:00?16:30 ×客先打ち合わせ
16:30?19:30 ●オフィスで作業
19:30 ●帰宅
—-もちろん、いつでも連絡が取れるようにしておければそれに越したことはありませんが、なかなかそうもいかないのが現実です。そこで、自分が電話連絡を受けられる時間帯を予め伝えておくわけです。
これを始めてかれこれ3ヶ月たちますが、過度に意識することなく淡々と続けています。ほとんど頭を使わなくてもできる単純作業と化しているのですが、そうなってしまっていても1つだけこれを飽きずに続けられている理由があります。
それは、このメールを書くためにはその日の自分の予定を明らかにしておく必要がある、ということです。そして、自分の予定を関係者に知らせたからには「きちんと守らなければ!」というポジティブなプレッシャーが生まれます。
特に、自宅で仕事をしているとどうしても「だらだら」としてしまいがちなため、そんな自分の「ぐうたら」をコントロールするために、とにかく朝(具体的には9:30までに)このメールを送信する、ということを自分に課しています。
この習慣は特に意識しなくても、続けることで自分を律することができる、という効果を持っていることになります。逆に言えば、それさえやっていれば、意識せずして意識したときの効果を生み出すことができます。
例えば、駅の車掌さんが指差し確認をしたり、ドアの鍵をかけた後にノブを回してみる、という習慣は意識の自動化でしょう。
意識せずにできるようになると、意識の“センサー”をより意識すべきところに振り向けることができるようになります。言い換えれば、無意識というのはパターン化であり、自分の中に構築したパターンと自分の外の現実とを照合し、そのギャップを埋める作業を意識せずにできるようになるわけです。
熟練の旋盤工が機械にはできない100分の1ミリ単位の加工を実現できるのもこの“センサー”によるものでしょう。この“センサー”を磨くことができるのも、意識を極限まで解放していった結果ではないかと思うのです。
「続けることによって、無意識の力を発揮することができるようになる習慣」というのは他にもありそうですね。
<継続を力にするコツ>
意識しなくてもできるようになるくらい繰り返す。