必要だと思っていろいろと買いそろえたのに、振り返ってみると結局ほとんど使っていない、というモノが身の回りにたくさんあります。机の上も当面使わない書類や本やガジェットなどが無造作に置かれていたりします。
そうしている理由が2つ考えられます。
1.目の前から見えなくしてしまうと忘れてしまいそうだから
2.単に片付けるのが面倒だから(緊急ではないから)
特に1の「忘れたくない」という心理的な理由が大半。2の「面倒」という面もありますが、それは後付けで、やはり「ずっと気に留めておきたい」からこそ、目に留まるところに留め置いてしまうのでしょう。
・・・とか言いつつ、結局は留め置くためだけにそうしている、という現実に気づきます。手段の目的化。
そして、そういったモノたちが実は仕事の能率を下げ、集中力を乱す原因になっていることが少なくありません。で、これに対する打ってつけの解決策が「出直しの法則」。
「出直しの法則」 0から始める
社員が、出直しの法則を学び、仕事机の上、中にあるものすべてをいったん別の場所に移した。そして、仕事を始めた。まずはパソコンが必要になった。彼の仕事のほとんどがそのパソコン上での処理だ。
電話を戻し、ペン一本とメモ用紙をもどした。その日は、それだけでことがすんだ。カレンダー、コップ、ウチワ、書類・・・、いつ、机に戻ってくるのだろう。ウチワは来年の6月までは、きっと戻らない。
必用になったら戻す。絶対必要なパソコンも、一度はずしてみたことが偉い。前とすこし置く位置が変った。
経営にもまったく同じことが言える。
これができたら気持ちが良いだろうなー、と思いつつ、実際にやろうとすると、
・時間かかりそうだし…
・いま忙しいから週末に…
・週末は遊びに行くんで…
と、次々に現れる“敵”に阻まれ、結局先送りスパイラルに陥ります。「敵は“本能”にあり」というかなんというか…。
そんなわけで、簡単に「出直しの法則」を実行する方法があります。
それは、ホテルに行くこと。自分でも時折やってます。なんというか「ホテル・ブースト」。
カオス状態になってしまったオフィスの片付けは、以前ご紹介した「林式微分整理術」を駆使してゆるゆると進めることにして、とにかくその場から離脱しましょう。
引用した「出直しの法則」では、いったんすべてを無にしてから、必要に応じる形で1つ1つ戻していくようですが、最初の「いったんすべてを無にする」というステップからいきなり敷居が高いため、先送りされやすい感じです。
そこで「ホテル・ブースト」。
1.何も持たずに近所のカフェに出掛ける
2.片付けたい仕事をリストアップする
3.2の中で今日片付けたい仕事を1つピックアップする
4.3の仕事を片付けるために必要なモノをリストアップする
5.4のリストを携えてオフィスに戻り、リストに従ってモノをピックアップする
6.5のモノだけをかばんに入れてホテルへ。
7.一心不乱に仕事を片付ける
カフェの段階で片付けられる程度の仕事であれば、それに越したことはありませんが、それでは片づかない(=現実逃避の引き金になるような)手強いものであれば、ホテルの出番です。
カフェの何倍もお金がかかるホテルでは、ついオフィスではやってしまう現実逃避を強力に抑える効果が期待できます。ホテルの部屋には自分で厳選した、その仕事に必要なものしかありません。そして、何よりも日常から離れることで気分転換もできます。枕が変わると寝付けない、という人にはアレですが…。
ちなみに、個人的によく利用しているのは東横イン。年会費実質無料(年会費と同額のギフトカードがもらえる)で会員になれば、日曜祝日に限り一晩4,095円で泊まれます(この程度なら、1回飲みに行くのをガマンすれば捻出できそう)。
こうして、ホテルを出る頃には、片付けたかった仕事が片付き、さっぱりとした気分でオフィスに戻ることができます(出直しならぬ出戻りの法則?)。
まぁ、こんなことしなくても自分をコントロールできるようになるのが一番なのでしょうけれど…。
<手軽に「出直し」をするコツ>
ホテル・ブースト。