前回の「自分の一日の仕事をビジュアルに振り返る」では、以下のような発見があったことを書いたのですが、
改めて気づいたのは、タスク管理ツールという「司令塔」を中心に仕事を進めているということでした。1つ作業が終わるごとに終了時刻を入力し、次にやるべき作業を確認のうえ、開始時刻を入力して、再び作業に入る、というピストン運動が見て取れます。
この感覚というのは、要するにゲーム感覚に近いのだと思います。
「ゲーム感覚」については、以前も「気が進まない仕事対策」で仕事をやりたくなる仕掛け作りという捉え方でまとめているところですが、さらに一歩進んで、仕事をゲームにしてしまうくらいの試みがつづられているのが以下の記事です。
Geek to Live: Turn To Do’s into game play
テトリスでブロックを一気に消す、スーパーマリオブラザースで大量のコインをかき集める、など、ゲームをやっていて感じる爽快感をそのまま仕事にも取り入れれば、きっと楽しく、しかも効率よく仕事を片付けることができるのではないか、という主張です。
例えば、
●10ページのレポートを作る際に、1ページ書き上げるごとにホワイトボードに予め描いておいた10個の白ワクを1つずつ塗りつぶしていく
●会社の同僚と、ランチを賭けて何かに取り組む(決めたことを早く達成できた方が相手にランチをごちそうしてもらう)
●キッチンタイマーを使って、決められた時間だけ1つのタスクに集中して取り組む(メール処理、優先順位付け、デスク周りの整理整頓など)
などのアイデアが紹介されています。
共通するポイントは、仕事を仮想のゲームに見立てた上で、
1.ルールとご褒美(得点)とペナルティー(失点)の仕様を決めておくこと。
2.得点と失点が目で見てすぐにわかるような仕組みにしておくこと。
の2点です。
テトリスでもスーパーマリオブラザースでも、進行しているゲームの画面がそのまま現状を物語る作りになっています。テトリスでブロックが上の方にまで積み上がっていれば良くない状況ですし、マリオがチビマリオになっていれば、ミスが許されない状況です。さらに、ステージをクリアするたびにマリオの残り数が確認でき、あと何枚のコインを取ればエクストラ・マリオを“補充”できるのかも、常に画面で確認できるようになっています。
つまり、ゲームを進める上での情報が常に“見える化”されているのです。
仕事でも、現状把握が困難になり、何をすれば現状が打開できるのかが見えなくなっている状態というのは、前に進む上での障害になります。
結局、仕事をゲームに変えるという試みの実態は、ゲームが持つ“見える化”のフォーマットを仕事に適用しているということになります。
以前、こちらでご紹介した以下のタスク管理ツールの画像は、仕事を「塗りつぶしゲーム」に変換して、常に現在の得点(終了した仕事)と失点(残り時間)を“見える化”している、と言えます。
テトリスの快感は、たくさんあるブロックを一気に消すところにあるのですが、仕事でも1つ1つの小さな仕事をブロックに見立てて、まとめて消せるようにすれば、仕事からも爽快感が得られるようになるかも知れません。
ちなみに、「まとめて消す快感」と言えば、「水玉潰し」というゲームがあります。やみくもにやってもうまくいかない、計画性と戦略が求められる、それゆえにのめり込んでしまう危険なゲームです。