レビューについて改めて考えてみました。レビューにはその頻度に応じて「日次レビュー」「週次レビュー」「月次レビュー」「四半期レビュー」「半期レビュー」「年次レビュー」などがありますが、共通点は一定頻度で自らの活動(記録)をふり返り、そこから意味のある何かを引き出し、今後に活かす、ということ。では何をすれば「活かす」ことになるのか。これがはっきりすれば、もっとシャープにレビューに取り組めるようになるはずです。
4つのステップ
レビューを含む一連の過程には次の4つのステップがあると考えています。
- 1.記録(L)
- 2.計画(P)
- 3.実行(D)
- 4.レビュー(R)
いわゆる「PDCA」に似ていますが、最初にP(Plan;計画)ではなくL(Log;記録)が来ます。いきなり計画は立てられないと考えているからです。
「記録(L)」をコピーする形で「計画(P)」ができます。「計画」を立てるという行為は「記録」をふり返って、その一部を再利用すること(=コピー)と言えるからです。一度通った道が轍(わだち)になるのに似ています。この轍の一部が計画になるわけです。
「計画(P)」に沿って「実行(D)」に移します。計画通りに行くこともあれば、行かないこともあります。いずれにせよ「計画」があることで、「実行」を評価することができます。「計画」がないとその「実行」が望ましいものだったのか否かを判断するのが難しくなります。
「計画通りにいかない」場合でも、とにかく何らかの形で「計画」を立てたうえで「実行」に臨むことを繰り返すことで、「計画」の精度がアップします。
「計画」の精度がアップすると時間が増える
とはいえ、「計画」の精度をアップさせることは手段にすぎません。
何の手段か?
それは、やるべきことを、やるべきときに、やるべき方法で、滞りなく実行するための手段です。
さらに言えば、そうすることで「やりたいこと」に使える時間を増やすためです。
「やるべきこと」と「やりたいこと」
『「ひとり会議」の教科書』という本に次のようなくだりがあります。
あたまではわかっていてもできないことがある。
苦痛をともなうものは避け、快楽を求めてしまう。じゃあ自分は一体なにがやりたかったんだろう?
子どものころは「やりたいこと」しかなかった。
大人になるほどに「やるべきこと」ばかり増えてくる。
そしてある日「あなたのやりたいことはなに?」
と聞かれると、うまく答えられない。本当は、あなたは、なにをやりたかったんでしょうか?
放っておくと、「やりたいこと」の上に「やるべきこと」がどんどん降り積もってきて、なかなか「やりたいこと」に手が届かなくなります。
この状況を打破して「やりたいこと」に着手するには、
- 1.自分が現在抱えている「やるべきこと」を把握し、
- 2.それらを「やれること」と「やれないこと」に分け、
- 3.「やれないこと」はいったん脇にどけて、
- 4.「やれること」を片づけて、
- 5.「やりたいこと」に全力投球する
という5つのステップが必要でしょう。
このうち1~3までが「レビュー」ということになります(4と5が「実行」)。
やりたいことだけしかやれなかったとしたら?
「やるべきこと」がまったくなかったら、すべての時間を「やりたいこと」に注ぎ込むことができるのに──。
こんな風に考えると、少しワクワクしてきます。
ところが、すべての時間を「やりたいこと」に注ぎ込むことは難しい、というより不可能です。
いくらカレーが好きだからといって、毎日毎食ひたすらカレーだけを食べ続けるのが難しいのに似ています。
「やりたいこと」だけをやり続けるのは最初は良くても、いずれ苦しくなるのです。やり続けられたとしても、熱が冷める、雑になる、ペースが落ちる、といった“劣化”は避けられないでしょう。
これを防ぐためには、自分の可処分時間における「やりたいこと」にかける時間の最適な割合を見つけて、これを守ることです。
まとめ
冒頭で、レビューについて「一定頻度で自らの活動(記録)をふり返り、そこから意味のある何かを引き出し、今後に活かす」と書きました。
ここで言う「意味のある何か」とは、一言でいえば最適な時間配分ということになります。
時間配分だけでなく、時間帯も重要です。
何をどの時間帯にどれだけの時間取り組むのか。これが明確になっていれば、朝起きてから夜寝るまでの間にどの順番で何をすれば良いかで迷うことが少なくなり、限られた時間を最大限に活用することができるでしょう。
以上をまとめると・・・、
レビューとは、
- 時間の使い方を改めるために行なうものである
- その先には「やりたいこと」に使える時間を増やすという目的がある
レビューをすることで、
- 「やるべきこと」がわかる
- やらなくても良いことがわかる
- 代わりに「やりたいこと」に使える時間が増える
- 「やるべきこと」と「やりたいこと」のバランスを見直すことができる
参考文献:
紹介されている以下のようなワークに実際に取り組むことで、本当に10分で「ひとり会議」を行うことができ、成果も得られます。「ひとり会議」とは、今回の記事でいうところの「レビュー」に当たります。
- 1.To Doリストを眺める。
- 2.そこから「緊急じゃないが、重要」なことをピックアップする。
- 3.そのことを優先して、スケジュール帳に入れてみる。
- 4.さらに「緊急だけど、重要じゃないこと」をピックアップする。
- 5.そのことを、身の回りにいる誰かに頼んでみる。
こういったワークがたくさん載っているので、「これは」と思ったものに実際に取り組んでみることをおすすめします。
その意味では本書は読むための本ではなく使うための本といえます。
レビューのレシピ集だからです。
» 1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書
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