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「今日やったことは明日もやる」と思うべき



佐々木正悟 たすくま(Taskchute for iPhone)で「いちいちリピート設定にするかどうかを聞かれるのはうっとうしい」という意見が多かったせいか、初めてのタスクでもリピートタスクを「作らない」ようにする手間が徐々に少なくなっています。

少なくともデフォルトで「作る」にはならなくなりました。

しかしこれは、若干危険な兆候です。「危険」というのはシリアスすぎますが、私たちは「今日やったことは明日もやるし、今日やったような買い物は、明日以後もきっと買う」と思っておくべきなのです。

こう思いたくないという気持ちがあります。
その気持ちが、時間やお金の管理を失敗に導きます。

明日を変えるには、今日を変えなければならない

  • 今日はいつもより長く休憩を取ってしまったけど、それは今日だけのこと。
  • 今日はいつもより同僚とおしゃべりしてしまったけど、それは今日だけのこと。

次のようなことを言う人もよくいます。

  • 今月は、ちょっと支出が多いけど、それは今月は新しいステレオを買ったから。その分は毎月の支出にはならないから。

確かに毎月のようにステレオを買い直す人はいないでしょうが、毎月「同じくらいの特別な支出」をする人は結構いるものです。

にもかかわらず「それはリピートではない」ということにすることで、少なからぬ支出について頭の中でうさんくさい取引をするのです。しかし、そのようしても現実に余裕が生まれるわけではありません。

私たちは、明日は今日とちがう選択ができるにちがいないと思いますが、そうはいかないのです。今日はやっぱりタバコを吸うけど、明日からはきっぱりやめよう。今日はジムをサボるけど、明日は絶対に行こう。クリスマスのプレゼントは奮発するけど、むこう3カ月はいっさい買い物はしない。

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こういうわけにいくはずがありません。自分の未来は、今よりよくなっていると根拠もなく信じたいのは、それはそれとして、変えられるところを変えない限り、自力での変化というものが生じるわけがありません。

「明日こそ、今日とは違った生き方をしてみせる!」などと思うよりも、「明日は、今日と全く同じ日になる」というほうが、はるかに「予言が当たりやすい」のです。「どんな日だって今日とは違った日になる」というのはもちろん正しいのですが、「明日は今日できなかったことができる」というのは間違っています。

むしろ、明日を変えるには、今日を変えなければならない、と思うべきなのです。なんでもリピート設定するというのは、そういうことです。これはいかにも厳しすぎるように聞こえるかもしれませんが、それは、理想的な毎日を送ろうとしすぎているからです。

「厳しさ」は、その人がどんなタスクをリピートしたいかによるのであって「リピートにするということ自体」は、少しも厳しくありません。今日トイレに行くように、明日もトイレに行くし、明後日もトイレに行く、というのはちっとも厳しくありません。

「今日英語の勉強をしてランニングもしてネットサーフィンはせずサラダだけを食べて過ごす!」と思うから「今日は無理だから明日から!」となってしまう。

それだけのことです。

▼編集後記:
佐々木正悟



私たち人間とは、不思議なものです。

「手抜きは一切許されない」と言い出しかねない人がそこら中にいるくらい「ストイック脳」をもっている一方で、手抜き本を書いて一生懸命「手抜く現実」を訴える私ごときにもやれるような「1分、1円単位の記録」など「絶対ムリ!」とおっしゃる。

仕事での手抜きなんか、一切したことがない!と豪語できる人はぜひ、その証拠を1分単位で他人に呈示したらいいと思います。

1分単位での呈示程度ができない人に、手抜きを一切せずに仕事ができるとは、私には信じられません。

» すごい手抜き – 今よりゆるくはたらいて、今より評価される30の仕事術 –