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もっとビジネス書が読みたい!

先日、「読書の不思議さ」というエントリの中で、大橋さんが次のようにお書きになっていました。

例えば、「仕事が10倍早くなる○○術」みたいな本を読んだとしても、読んでいる間は、

 「なるほど、こういう風にすればいいのか!」

という快哉を叫びまくるのですが(良い本であれば)、実際に「こういう風に」が行動に移されることはまれです。言っていることとやっていることが一致していません。不思議です。


これは必ずしもビジネス系や自己啓発系に限った話ではないと思いますが、「考え方」や「方法論」にふれているだけで、充実感に浸ってしまって、行動には結びつかないということは、よくあることです。

ただし、これには良い面もあります。必ずしも実行に移すつもりがなくても、ビジネス関係書を読む価値は、あるとも言えるからです。本を読むだけで充実感が得られるのなら、ストレス解消に役立つでしょう。

本を読むだけで満足してしまったり、あるいはストレス解消に役立つのは、本に書かれているような内容のことで、それまでストレスを感じていたからです。営業で悩んでいる人は、営業関係の本を探すでしょうし、人間関係で悩んでいる人は、人間関係の書籍を買うでしょう。

そしてそれらの本には、ふつう悩ましい問題についての、いい解決策が書いてあるはずです。そういうふうに本を書くことを、出版社は著者に求めるからです。だから、読めばストレスが軽減されることは、十分期待できます。

一般に、改めて快感を与えられるよりも、苦痛やストレスを解消する方が、生物は強い快感を感じるようです。「まずは苦痛を取り除き、次に幸福を求める」のです。病気の時には病気さえ治れば幸福だと思うし、治れば遊びに行きたくなります。

仕事で断続的にストレスを得ている人は、ストレス解消の方法に浸ること、それ自体に強い快感を覚えます。ビジネス書を読むことで、ストレス解消をしている人は、ビジネス書を次々と読みあさるようになるでしょう。これは典型的な強化です。快感はクセになるわけです。

強化は生理的快感に、直接結びついた行為を繰り返させます。読書が「快感」をもたらすのに、どうして「本で得た知識を実行に移す」などといった、快感が得られるかどうかも分からないような所まで、わざわざ行く必要があるでしょう?

と、読書で快感を得た肉体は主張するのです。

もしもこの段階にとどまることを不満に思うのであれば、「本で得た知識を実行に移す」ことで成功を得て、さらに強い快感による強化学習を、更新しなおす必要があるでしょう。
何であれ、新しい習慣を継続するために必要なことは、成功体験と快感です。