ある概念を説明する言葉が存在しなければ、それは概念自体が存在しないということだ。
例えば、アメリカ先住民族のなかには、「嘘」という言葉を持たない部族がいくつかある。彼らは「嘘」という概念にまったくなじみがなく、彼らの思考にも言動にもない。彼らの文化には「嘘をつく」という行為が存在しないのである。また、フィリピンのタサダイ族には「嫌い」「憎悪」「戦争」といった言葉がないという。
説明する言葉がないものは、存在できないということかもしれない。となると、「習慣的に使っている自分の経験に影響を与えている言葉は何だろう?」という疑問がわいてくる。ボキャブラリーが貧弱だと、説明する言葉も限られ、経験の幅まで限定されてしまうのではないだろうか。(中略)
使う言葉を変えれば、経験することも変わってくるのだ。(p.21)
- やめる:知っている言葉だけで考える
- 始める:自分の“明確で大きな目標”に関連する分野のボキャブラリーを増やす