このカテゴリーにおいて、こういう本は今までなかったかも。著者が前面に出るのではなく、ソムリエみたいに傍に控えていて、控えめに、必要に応じてアドバイスをくれる感じ。押しつけがましくなくてすがすがしい。
さながら旅行ガイドブックのよう。旅行プランならぬ読書プランをワクワクしながら組み立てることができる。
絶版の本も紹介されているが、それは天空の城・竹田城跡のように、実際にこの目で触れるのは難しくとも、そういう本がある、という情報は有用であり、いつか読みたいというパッションを涵養してくれる。
» 知的生産とその技術 Classic10選[Kindle版]
↓以下、気になった(気に入った)箇所。
アルテさんをして、さりげなく読書術を語らせているところがいい。
「こんな風に、一番最初の章に著者がどんな内容を持ってきているのかに注目してみるのも面白い読み方よ。だって、ぜんぜんどうでもいい話を持ってくるわけないでしょ。そこにあるのは著者にとって大切な話である可能性が高いの」
『本はどう読むか』の引用(孫引き)。
いろいろな本を読み、それらの本の内容を保存しようと考えて、書物中心の客観主義でノートを作っているうち、或るテーマに特別な関心を持つようになり、そこから、自己中心の主観主義でノートを作る道へ入り込んで行く。これは、読書の成長、ノートの成長、読者の成長である。
なお、『バーナード嬢曰く。』と、世界観が地続きでつながっている雰囲気なので、合わせて読むと味わい深い。