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「悪い研修会」と「いい研修会」の違い

・悪い研修会

1.意味のない研修──
 ・眠たい(講師のみが元気)
 ・暗い、雰囲気が悪い
 ・参加者が聞いているだけ
 ・参加者が責任を持た(て)ない
 ・前向きでない
 ・質問がない
 ・積極的でない
 ・セミナー(研修)と講演会の違いがわかっていない
 ・目的がはっきりしない
 ・無計画
 ・単発のイベント型研修
 ・おもしろくない

2.強制された(押しつけ的な)研修──
 ・動員がかかる研修
 ・研修が単一の指向、レベル、方向性で展開されている
 ・トップダウン的な研修

3.出会い・発見がない──
 ・交流がない
 ・参加者が知り合えない

4.振り返りとフォローアップがない──
 ・事後フォローがない
 ・研修自体で終わってしまう
 ・継続性がない

5.運営面で問題がある──
 ・スケジュールをこなすだけが目的になっている(実績のための研修)
 ・組織がオープン化していない
 ・資料が多すぎ
 ・事前資料が不足

6.講師の問題──
 ・専門家がいない
 ・自己満足の講師

『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで』より

名前はセミナーでも実態は講演会であることが少なくないなど、「あるある」と思えることがある一方で、身につまされたり、耳が痛かったりするものもある。折に触れてこのリストを眺めて、問題の芽を摘み取っていきたい。

続いて、同書より「いい研修会」の条件。

・いい研修会

1.会の雰囲気がいい──
 ・楽しい
 ・ワクワクする研修
 ・なんでも言える

2.得るものがある──
 ・終わった後で充実感がある
 ・リフレッシュ
 ・選択がある

3.発見や出合いがある──
 ・未知なるものとの出合いがある
 ・知り合いが増える
 ・幅広い参加者がいる
 ・人と人とのつながりが広がる

4.参加者の主体的な参加──
 ・講師と参加者との上下関係がない
 ・みんなが参加できる
 ・参加の機会が均等に与えられる
 ・少数意見が取り上げられる

5.講師ではなく、コーディネーターの存在

6.振り返りがある──
 ・自分の問題点が整理できて、新しい視点が得られる
 ・さらに、一歩進める

7.目的の共有と達成が図れる──
 ・研修(内容)をつくり上げることができる
 ・研修に参加できない人たちも満足できる(→社会的満足)

8.動きのある学び──
 ・講義だけじゃなくて、からだや五感を使う
 ・体験できる

9.実践できる研修──
 ・理論に終わらないで、実践できるような研修

10.研修で終わらず、つながる・広がる──
 ・参加者が主体的にかかわり、実践につなげられる
 ・研修会を通じて輪ができ、情報交換が継続する
 ・参加していない人たちに勧められる。誘いたくなる。
 ・得たものを他の人たちと共有できる

11.参加しやすい条件──
 ・お金がかからない
 ・誰でも参加できる(託児・手話など)

『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで』より

「悪い研修会」の反対を行えばよいわけだが、何かを目指すとき、これを明確にするうえで「対極にあたるもの」を挙げていくことは役に立つ。

例えば、やるべきことを明らかにするには、思いつく限りのやるべきでないことをリストアップして、最もやりたくないと感じられるものをひっくり返せばよい。

» 効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで (PHP新書)